広州市で参加者1万人の暴動、死傷者情報も 当局「死刑も辞さない」と糾弾

【大紀元日本6月14日】広州市の東郊にある増城市(行政区画としては広州市に含まれる)で露天商に対する治安当局の暴力がきっかけで10日から三日間続いた暴動事件に対し、当局は軍の部隊や戦車を出動させ、催涙弾でデモ参加者を追い払うなど強行姿勢で臨んだ。AP通信は市民のデモ参加者は1万人に上ったと報じている。国内の微博(ミニブログ)によると、12日深夜から13日の早朝にかけて、双方が激しく衝突。部隊からの発砲によって、100人以上が死傷したという。

また、最近頻発する大規模な暴動や江西省で起きた政府庁舎爆発事件などについて、政府系メディアは「死刑判決と即執行も辞さない」と激しい口調で糾弾する一方、強行姿勢の裏にある「焦り」も見せている。

事件の発端は、スーパーの前で露店を開いていた妊婦中の女性と当局保安員とのトラブル。保安員が露店の撤去を命じる際、女性に殴る蹴るなどの暴行を加えたことから、横暴な取締りに反発した出稼ぎ労働者らが警察と衝突を起こしたとされる。

しかし英BBCは、保安員が露店の女性に場所代を要求したため口論となり、かねてから場所代を取られていた周辺の露天商が不満を爆発させたため、衝突が起きたと報じた。

広州市公安当局は11日、「事態の悪化を防ぐために、警察官を派遣した」と発表した。

現地住民はインターネットを通じて、1万人に上る住民がデモに参加し、衝突のなかで数十台の警察車両が破壊されたと伝えた。警察官と部隊は7500人が投入されたという。

12日深夜から激しい衝突が起き、ネット上への書き込みによると、部隊が発砲して100人以上が死傷、100人が逮捕との情報も出ている。

香港のテレビ局が放送した映像には、12日に同市に多数の武装警察と部隊が配置されており、一部の住民は連行される場面が映っている。

公安当局は、事件は「少数の住民と保安員による衝突事件」と述べ、当該の妊婦の身に別状はないと説明した。新華社通信は「暴動は沈静化し、住民らは満足している」と、事件が「円満解決」したことをアピールした。

度重なる暴動事件について、人民日報傘下の環球時報は13日に社説を掲載し、暴力で社会の不公平に対抗し「政府に反抗する」者がいるが、これは時代の逆戻りだと批判した。中国最高人民法院の張軍副院長は12日、国と社会を極端に敵視し、重大な犯罪行為を起こした者には決して手を緩めず、「死刑判決および即執行も辞さない」と激しい口調で糾弾した。

香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)は、「捨て身になって政府に反抗する」という考え方が蔓延している現状は、政府と社会への不満が長い間解消されず、管理の危機と政権の危機を招いたと分析し、「普段は市民に無関心で、有事になると武力弾圧するという当局の対応がいつまで続けられるのか」と疑問を投げかけた。

(翻訳編集・高遠)
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