毛沢東批判で大論争 米紙「中国を彷徨う赤い幽霊」

中国の著名な改革派経済学者、茅于軾氏(82)が2011年4月末、自身のブログで毛沢東について論じた約5000字の文章が中国国内で大きな波紋を広げている。「毛沢東をタダの人間に戻そう」と題するこの文章のなかで、茅氏は、毛沢東は在任中、大躍進政策で3000万人あまりを餓死させ、政治闘争で5000万人を死亡させたと、毛沢東の罪を並べた。

 この文章が発表されてから、毛沢東崇拝者は「すべて捏造(ねつぞう)で、毛沢東と共産党を否定している。政権転覆を狙っている」と猛反発。「売国奴」呼ばわりされた茅氏を「反革命犯」として逮捕すべきだと主張する意見もあり、毛沢東への名誉毀損で提訴する署名運動もネット上で繰り広げられた。

 「事実を書いたまで」―。茅氏は海外の中国語週刊誌「新紀元」にこう語った。論争がここまで広がったのは予想外だとしながらも、「ぜひ法廷で毛の罪を1つずつ語ろうではないか」と平然とした態度を示した。

▶ 続きを読む
関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。