台湾の李登輝元総統、公的資金6.3億円横領で起訴

【大紀元日本7月1日】台湾の元総統・李登輝氏は30日、779万ドルの台湾国家安全局の資金を横領した容疑で、台湾検察に起訴された。台湾元総統が起訴されるは、李氏の後継である陳水扁氏についで2人目となる。

台湾検察官によると、李氏は総統在任期間の1988年から2000年までに、機密外交基金の名義で情報機関・国家安全局から、李氏が名誉理事を務める民間シンクタンク「台湾総合研究院」を設立する目的で横領したという。

最高検察庁が発表した起訴状には、「李登輝氏はマネーロンダリング資金洗浄)を通じて、779万ドル(約6億3000万円)を私的に横領した。シンクタンクを設立するための資金として顧問と相談した結果、国家安全局から流用することを決めた」と記されている。李氏の経済顧問であった劉泰英氏も同時に起訴された。

横領したとされる公的資金は、国家安全局が1994年5月、対南アフリカ政策のために外交部(外務省に相当)に貸し付けた、約1050万ドル(8億5000万円)の一部とされる。

李氏に近い元側近の王燕軍氏は「予想外です。しかし李元総統は、司法の公正さに根のごとく深い信念を抱いている方なので、きっと無実が証明されるとお考えでしょう」と台北タイムズの取材に対して述べた。

有罪判決が下されれば、李氏は少なくとも懲役10年を科される。しかし検察側は、88歳という年齢を考慮して刑期を短縮する可能性も示した。

台湾国内報道によると、民間企業RUENTEXの会長、サミュエル・イン氏がマネーロンダリングを手伝い、その資金の幾らかが、実際に同シンクタンク設立準備に使われたという。台北中心部に高級なオフィスを購入する費用として、440万ドルを元経済顧問・劉氏に渡した、とこれに関与した2人の男が検察に証言した。

検察によると、李氏は容疑を繰り返し否認している。30日午後、会見を開いた李氏の弁護団代表・顧立雄弁護士は、同容疑について、検察は5月31日にすでに李氏を尋問したが、李氏に主張する隙を一切与えなかったという。加えて、「検察はどんな証拠も実証することはできない」と述べた。

(翻訳編集・佐渡道世)
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