北朝鮮 草や木の根を食べる民衆増加 飢饉到来の恐れ

【大紀元日本7月4日】長年、北朝鮮で開発援助を行うスイス開発協力庁北朝鮮担当者によると、北朝鮮政府は民衆への食糧配給量を大幅に減らしているため、国民は再び草を食べて生活していることが、明らかになった。北朝鮮は再び厳しい飢饉を迎える恐れがある。

同庁平壌事務所のカタリナ・ツェルベガー(Katharina Zellweger)氏が先月27日に日本の報道機関らと会見を行い、北朝鮮の食糧事情を発表した。それによると、海外からの食料援助の激減と食糧価格の高騰により、北朝鮮当局は食料の輸入が難しくなり、配給量は、人間が一日必要とするカロリー量の2~3割程度に満たないという。

同氏が今年5月から6月はじめにかけて北朝鮮全域で調査を行ったところ、国内の部分地区の食糧配給量は一人あたり一日につき平均150グラム、平壌では200グラムで、約600カロリー程度に満たない。昨年度の世界食糧計画(WFP)の調査によると、平均配給量は同375グラムで、1年間でほぼ半減していることになる。

約2300万人の人口を抱える北朝鮮は、過去数十年、国民食料配給システムによって国民のカロリー摂取量を管理しており、国民の大半がこれに依存している。

またツェルベガー 氏は、北朝鮮の国内各地に訪問する際、前回よりさらに多くの栄養失調と見られる子供たちを目撃した、と述べた。その多くの人は畑や山腹で木の根を掘るか草を刈って採集し、食料としていたという。

北朝鮮では1990年代末頃、大飢饉が到来し数十万人が餓死している。

(翻訳編集・王知理)
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