<中国人ブログ>日本人の眼光の鋭さ  作を肥やさず土肥やせ

【大紀元日本7月22日】 山東省莱陽市の農地を借りて耕作する日本のアグリ企業がある。「日本には『作を肥やさず土肥やせ』という諺がある。私たちは土壌の質を重んじる。ここの土壌は化学肥料や農薬によって酷く疲れていたため、元の状態に回復させるために、多くの力を注いだ」と、日本人農地管理者は述べる。

7月12日付けの新京報によると、その日本企業は1500畝(1畝=6.67アール)の農地を借りて耕作したり、乳牛を育てたりしている。土壌に農薬や化学肥料を一切使わないため、大量の雑草が生えてしまい、農産物の収穫量は地元農家の半分も及ばない。この5年間で計3000万ドル以上の投資をしたが、ずっと赤字が続いている。

地元中国人の農民は、何とかして利を増やそうと大量の農薬を投入することをまず優先するので、日本企業のこの「土」に対する敬意を理解できず、彼らのやり方を笑っている。

無農薬のトウモロコシや小麦を植えて、乳牛の飼料とし、乳牛の糞は土壌を肥す。そうして初めて、乳牛から安全な牛乳が取れる。この生態循環型農業は時間がかかるが、しかし、こうして作られた牛乳は通常より高い。

「健康のためなら、たとえ高くても安全なミルクを買いたい」というのが現代の中国人の考え方だ。しかし、中国の酪農業界は、 メラミン混入粉ミルク事件を起こした三鹿乳業の倒産を反省せず、生産方式や設備の改善を図らなかった。当局はさらに牛乳の安全基準を大幅に緩和するという手段をとった。

6月21日付け財政ネットの報道には、「中国の乳牛の品質標準は、国有企業で大手2大メーカー『蒙牛』と『伊利』に左右されている」とある。「細菌数200万個/1ミリリットル-この標準は全世界で最低の基準だ、まさに乳業の恥だ」と広州乳業協会理事長・王丁棉氏は指摘した。

「中国の農村の生産レベルが低く、高い基準を設定すると供給されたすべての牛乳が合格できない。(基準値の下げたのは)農家のためだ」、と内モンゴル乳業協会のナダムト会長が弁解した。農家のためなら、消費者の健康を考慮しなくていいようだ。

「干乾びた河から魚を取らず」と古人は忠告したが、現在の中国人はその言葉をもはや思い出せなくなったようだ。商人やメーカーが目の前の僅かな利益のために、毒食品や毒ミルクなどを作って人々の健康を脅かしている。

日本の女子サッカーは世界一の栄冠を手にした。この隣国の勝利は中国人に、なぜ中国サッカーが腐敗し、駄目になっていったのか、という大きな疑問と怒りを与えた。

両者の差は、物事の真意を見通す力、つまり眼光の鋭さの違いにあると筆者は思う。日本はまず、最善の体制と環境を整えてから、選手たちを訓練する。そのため成績は着実に良くなる。一方、中国は成績を重視しすぎて体制の改革をせず、結局、人材不足になり、悪循環に陥った。これも土壌と牛飼いの話と根本は同じである。

(翻訳編集・王知理)
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