<赤龍解体記>(25) 中国高速鉄道事故でメディアとインテリが造反

7月23日の中国高速鉄道衝突事故が起きた後、鉄道省の後手に回った救援活動、安全を無視しつつ早急に運転再開したこと、衝突した車両を壊して土に埋めて証拠隠蔽を図ったことなどにより、一般人のみならず、メディア人も従来の体制維持を最優先するスタンスを捨てて、新聞や雑誌、テレビなどを通じて真相究明を求めつつ、鉄道省の理不尽な救援活動などを厳しく批判している。

 このような変化は、天安門事件で武力弾圧が行われる前とほぼ同じ情景を見せ、いわばメディア人たちは体制の束縛を逃れ、己の良心をもってメディア人としてやるべきことをやったのである。

 しかし、極左の代表とされる中共宣伝部は、彼らの反逆を看過することはなく、7月29日、通達を出して事件に関するマイナス報道をしてはならないと命じた。それで、百単位の新聞は、事前に作成した特集報道を撤回せざるを得ず、千単位の評論が掲載できなくなった。

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「21世紀は中国の世紀だ」と中国人は気負う。文明史的な視点から見れば、このことばは自惚れの嫌いがあっても、必ずしも過言ではないかもしれない。将来、歴史的事実として証明されるであろうが、中国の台頭およびその影響力の増強は人類文明史の必然のステップであり、歴史の発展の大趨勢である。
来年開催の中共18大まで後1年あまりとなったが、中共の各勢力は昨年から臨戦状態に入り、明に暗に人事の攻防戦を繰り広げてきた。
前回の<赤龍解体記>は、中国高速鉄道事故でメディアとインテリの造反を取り上げたが、案の定、これらのメディア人は直ちに停職などの処分を受けた。
中国の著名経済学者で、天則経済研究所理事長の茅于軾氏が、7月30日に行われた地方政治と国家のモデルチェンジというシンポジウムで講演を行い、民主、法制、平等、自由などが世界の普遍的価値観であり、当今の世界的潮流であると強調し、中国人で共産主義を求める人はいないし、胡錦涛さえも共産主義を信じているとは限らないと思うと指摘している。
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