<中国高速鉄道事故>事故車両を埋めるのは「慣例」か

【大紀元日本8月3日】7月23日に温州で起きた高速鉄道追突事故で、先頭車両を砕き地中に埋めた光景は世界を驚かせた。しかし、国内メディアやネットユーザーの暴露によれば、事故に遭った車両を埋める行為は今回が初めてではない。昨年5月に起きた江西省列車脱線事故でも同じ「処理」をしていたという。

昨年5月23日未明、江西省撫州市で、上海発桂林行きの17両編成の列車が脱線し、乗客乗員19人死亡、71人が負傷する事故が起きていた。事故は、江西省の山間部で発生し、山崩れによる土砂で埋もれた線路に列車が進入したため、先頭の機関車と客車9両が脱線した。

昨年5月23日に起きた列車脱線事故(Getty Images)

事故1週間後の6月1日付国内週刊誌「三聯生活週刊」に、記者・王_feng_さんの記事「江西列車脱線事故現場目撃:乗客が一瞬で車両から放り出された」が掲載された。「破損の激しい車両は整理した後、その場で処理された。数台のショベルカーで砕いたあと土の中に埋めた」と王記者は現場の様子を記した。埋める理由は「一刻も早く運転再開するためだ」と、今回の高速鉄道事故を彷彿させる。さらに、「19人の死者の数はすでに確定したようだ。すべての負傷者も病院に送ったはず。しかし一部の人は依然として親族が見つからないでいる」と記事は明らかにしていた。

ネットユーザー博友@珈琲期諾は、江西省の列車脱線事故についてこう書き込む。「朝2時に事故が発生したが、18時に運転再開した。当局の人はまずショベルカーで大きな穴を掘り、車両を穴に放り入れた。それからブルドーザーで地面を平らにならした。十数日後に事故が忘れ去られたころ、また掘り起こして運び去った」

今回の事故で先頭車両を埋めたのもこの「慣例」に基づいたものだと見られるが、「世界の常識」と大きくかけ離れていたことから起こった反発は、当局にとって「思わぬ反応」だったのだろう。

(翻訳編集・張凛音)
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