中国、鉄道建設に巨額の負債 専門家は懸念の声

【大紀元日本8月8日】巨額の負債を抱える中国鉄道部は、さらに200億元(1元は約12円)の短期債券を発行することを決めた。応募は8日から始まる。英BBC(中国語版)が7日報じた。

鉄道部財務司が先週公表した最新の報告書によると、その負債総額は2兆元を超える。

中国は今後5年間、高速鉄道の建設に7千億元を投資する予定。BBCは、「高速鉄道建設の規模拡大により、鉄道部は巨額の債務を抱えることになるだろう。将来、国による財政補助で穴埋めする可能性が高い」と報じた。

一方、中国中央国債公司の資料によると、総額220億元の地方政府の債券も同日に発行する予定だという。

中国地方政府も厖大な負債を抱えている。中国国家審計署(会計検査院に当たる)が6月末に全人代に提出した報告書によると、2010年末の時点で、地方政府の負債総額は10.7兆元に上る。

米格付け大手ムーディーズは、国家審計署と中国銀行監察会の試算データを分析した結果、3.5兆元の地方政府の負債が上記の報告書に盛り込まれていないと指摘した。

BBCは専門家の見解として、「中国地方政府の巨額の負債は、中国経済のもう一つの脆弱点である」などと報じた。

ムーディーズは7月、この現状に警告を発した。同社は、中国国内の銀行の不良債権は8~12%に達すると指摘、中国政府が有効な措置でこの問題を解決しなければ、中国銀行の信用格付けがマイナスに転じる可能性を示唆した。

なお、中国側は各地方政府の負債総額は返済可能であると発表している。

(翻訳編集・叶子)

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