行方不明の人権弁護士妻、訪中の米副大統領に援助要請

【大紀元日本8月17日】2006年8月15日に「国家政権転覆罪」で懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた中国人権派弁護士・高智晟氏の執行猶予期間は今月14日で満了したが、高氏の所在は依然として不明のままだ。妻の耿和さんは、17日から訪中するバイデン米副大統領に、夫の所在の確認を中国政府に提起してほしいと要請した。

高智晟氏は中国の著名な弁護士である。医療事故や、土地の収用、労使紛糾、強制中絶などの訴訟案件では、常に社会的弱者の味方に立って勝訴を続けていたことで知られている。

2004年から、中国政府による法輪功弾圧の実態調査に乗り出し、2005年から3度にわたり、最高指導部に公開嘆願書を提出して、法輪功弾圧の違法性と残虐性を訴え、その停止を求めた。そして、2006年には、「国家政権転覆罪」で懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。以来、同氏への監禁が繰り返され、常に警察当局の監視下に置かれていた。最後に公の場に姿を見せたのは2010年4月、山東省に帰省するときで、当時、数人の私服警官が同行しており、北京に戻ってからは所在不明になり、現在に至っている。

この一年間、兄の高智義さんは何度も北京市公安局に弟の所在を確認したが、「知らない」「迷子になって戻ってこない」などの説明しか得られていないという。

妻の耿和さんは、「すでに5年間も監視、強制的行方不明が繰り返されている。いまだに政府からは正式な説明がなく、彼らはいかなる正当な理由もないののだ。夫を返して欲しい。こどもたちにも父親が必要だ」と述べた。

17日に訪中するバイデン副大統領に対して、耿和さんは、「ぜひ夫の件を、中国政府に問題提起してほしい。所在を突き止めていただきたい」と述べた。

欧州議会のブゼク議長は15日に声明文を発表、中国政府に対して、高智晟氏の釈放を要求した。声明は、中国政府のやり方はとても受け入れられないと指摘、「我々は最悪の状況を憂慮している」と述べた。

国連人権委員会も本件に強い関心を示している。

今年3月下旬には、国連人権委員会の「国連不法拘禁問題対応チーム」は報告書を発表し、高智晟氏の人権保護分野における貢献を評価し、中国当局に対して同氏の釈放を促した。 しかし中国当局はその要求を拒否した。当時、定例記者会見で中国外交部の姜瑜報道官は、高智晟氏のことについて「具体的なことは知らない」「中国は法治国家である」と強調し、同氏への監禁を実質上否定している。

有罪判決を受けた後の2008年と2010年には、高氏は2度にわたりノーベル平和賞の候補者となった。

妻の耿和さんは2009年3月、2人の子を連れて米国へ脱出し、難民として保護されている。

(翻訳編集・叶子)

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