神韻公演を観る勇気のない海外中国人へ

【大紀元日本8月22日】中国の高速鉄道事故は海外メディアで大きく取り上げられた。その事故処理の方法だけでなく、中国政府が「報道禁止」を全国のメディアに通達し、強制的に情報統制したことも話題となった。しかし、中国政府による情報統制はずっと以前からあると言える。中国共産党は政権を樹立して以来、中国大陸のみならず海外にまでその情報統制の範囲を広げてきたのだ。

海外の中国語週刊誌「新紀元」221号は、「神韻公演を観たくても観る勇気のない海外中国人へ」と題する評論記事で、次のように分析する。

中国共産党は武力で政権を奪い取ったのであり、国民選挙によるものではないため、政権を維持し、存続させるためには欺瞞と武力を行使するしかない。しかし、海外の場合は大規模な武力行使ができないため、中国当局は騙しと脅しで海外の中国人の思想と精神を強く制御している。

2010年、独紙ミュンヘン・デイリーは、中国領事館が地元で公演を行う会社に圧力をかけたことを「極東からの脅威」と題して報じた(新紀元資料室)

最近の例としては、中国共産党が海外在住の中国人に対して鑑賞することを禁じた「神韻芸術団」の公演がある。「神韻芸術団」とは、米ニューヨークを拠点とする、中国伝統舞踊と音楽を専門とする団体である。

新紀元の記者によると、彼の同僚の知り合いである中国人留学生たちは、中国領事館から、「神韻芸術団の公演を観に行けば、中国当局のスパイに写真やビデオを撮られ、帰国後はトラブルに遭うぞ」という脅しのメールを受けとったという。この脅迫行為が、まさに中国当局が国際社会から非難を受け、鼻つまみ者にされる所以である。民主的な国家では基本的人権が守られており、さらに多くの会場では写真撮影や録画が禁止されているにもかかわらず、あえてそれを行うのだから呆れるばかりだ。

一体、なぜ中国領事館はこのような理解し難いことをするのか。神韻芸術団は、中国5千年の歴史が培ったかけがえのない、神から伝わった正統な文化を、伝統の古典舞踊や古典音楽を通じて再現している。その中には道徳、倫理、礼儀作法、思いやり、信義、忍耐などの、人間を形成するのになくてはならない要素を多く内包している。

しかし、中国の伝統文化を破壊した中国共産党は、この公演内容を嫌う。道徳や倫理などを重んじる人は暴力や脅し、金銭では制御できないからだ。同記事は、「80年代、90年代に生まれて海外に留学している中国人や、海外を訪れるビジネスマン、研究者、海外へ旅行するほとんどの中国人が目にするのは、国際社会の経済発展だけでなく、人と人との間に存在する単純でかつ正直な関係であり、互いに尊重する姿だ」と指摘する。

その姿を目にした多くの中国人たちは、民主主義への憧れ、自由を信仰する心が自然と芽生えてくるのだが、その気持ちは中国当局の思想制御によって抹殺されてしまうことになる。

ある心理学研究の結果によると、人の幸せはその人の思想・考え方と密接に関係し、決して富や成功によって決まるものではない。ならば、中国人は自分の幸せと人生のために、中国当局を恐れず、束縛を払いのけるべきである。

同記事は最後に、海外にいる中国人たちに、先ず神韻とは何かをよく知ったうえで、観に行くかどうかを自ら判断すべきだと呼びかけている。

「なぜ世界一流のアーティストたちが褒め称えるのか。なぜ多くのファンが神韻を追いかけて各地を回るのか。なぜ観客が公演を観て感動の涙を流すのか。なぜ海外の中国人がわざわざ子どもを連れて神韻を観に来るのか。海外のメディアは発達しており、報道も自由だ。これらの疑問を解くのは、決して難しくはないだろう」

(翻訳編集・余靜)