中国4万のダムに決壊の恐れ 「耐用期限が過ぎている」

【大紀元日本8月26日】中国に現存する8万7000カ所のダムのうち、およそ半分の4万カ所余りに決壊の恐れがある。24日、中国政府系メディア・中国経済週刊が報じた。

この報道によれば、世界一の数を誇る中国のダムは、ほとんどが1950~1970年代に建設されたもの。これらのダムのほとんどは小型ダムであり、その9割以上は土石ダムとなっている。土石ダムの寿命は50年と言われているため、ほとんどのダムはすでに耐用期限が過ぎてしまっている。また、ダム使用中に必要なメンテナンスは、数十年間怠っていたため、現在、既存ダムの半分に相当する4万カ所余のダムは危険な状態にあると報じられている。

これらの危険なダムの多くは農村に点在し、県(郡)・市を流れる川の上流に存在するダムもある。同記事によれば、全国都市の25.4%にあたる179都市、そして全国の県の16.7%にあたる285県の上流に、決壊する恐れのあるダムがあるという。

「これらのダムがはらむ危険性は高い。決壊すれば、家も畑も工場も鉄道も、都市全体が飲み込まれてしまう」中国水利部(省)でダムを管理する徐元明・所長は中国経済週刊の取材にこう語った。

水利部が公開したデータによると、ダム決壊が記録される1954年以来、中国全土で3515カ所のダムが決壊している。これらのダムの98.8%は小型ダムである。1975年、淮河(中国第三の河)の流域では50カ所のダムが相次いで決壊。23万人が死亡する事故が発生した。これは人類歴史上最悪のダム決壊災害と記録されている。

ダムの修繕資金をめぐる横領や横流しの現状も、中国経済週刊の報道で明らかにされた。2009年6月に当局が公表した報告によると、554カ所の老朽ダムに対する修繕資金から5658万元(6億8千万円)が横領され、1億5311万元(18億5千万円)がほかのプロジェクトに横流しされている。

さらに、修繕工事の手抜きにより「おからダム」の存在も指摘されている。甘粛省の小海子ダムは2004年に修繕工事が終了し、「優良工事」とも評されたが、3年後の2007年に決壊し、下流にある4つの村が被害を受け、1700人が緊急避難したという。

 (翻訳編集・張凛音)
関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明