中印両国軍艦、南シナ海で一時対峙 領土紛争過熱化

【大紀元日本9月3日】中国とインドの軍艦がこのほど、南シナ海で対峙していたことが明らかになった。衝突はなかったものの、インドとベトナム両国は中国政府のますます強気な姿勢に不安を抱き、インドはすでに中国政府に話合いを申し入れたという。

英紙フィナンシャル・タイムズによると、中国の軍艦は7月下旬に、ベトナムを訪問中のインド海軍の揚陸艦アイラバトと出くわした際に、インド側に身元の開示を要求し、現場は中国の海域だと警告した。

インド外務省は同紙の報道を受けて、9月1日に事実関係を初めて公表した。それによると、アイラバト号は当時ベトナムを訪問中だった。7月22日、ベトナム中南部の港から北部のハイフォン市に向かう途中、同国沿岸から45海里の海域で、中国海軍からの公開無線電波を受けた。「あなたたちは中国の領海に進入しようとしている」と警告する内容だった。

周りにいかなる軍艦あるいは飛行機もなかったため、同インド軍艦は引き続き航海し、衝突はなかった。中印両国の軍艦が同海域で対峙するのは初めてのこと。現場はベトナムの排他的経済水域である。

米国VOAの取材で、米モンタナ大学の東アジア研究所のテリー・ウェドナー主任は、中国側はベトナムの経済水域内で主権を主張することから、中国が同海域においてまったく他国の主権を考慮していない現状を示したと述べ、「隣国が不安を覚え、国際保護を積極的に求めている」と指摘した。

ベトナム側は、本件は中国側の故意な挑発だと受け止めている。ベトナムの外交筋はフィナンシャル・タイムズ紙に対して、「中国は南シナ海で国際警察になろうとしているのではないか」と語った。

同紙によれば、インド政府は、軍艦の航行は国際法に則っていると主張し、本件について中国側に話合いを申し入れたという。一方、中国外交部の馬朝旭・報道官は関連の報告を受けていないとし、いかなる国からの関連の申出もなかった、と否定した。

テリー・ウェドナー主任は、南シナ海問題は主権のほか、経済利益も絡んでいると指摘し、中国側は昨年、この問題について安易に妥協しないと明確に宣言したことを挙げた。「中国政府は南シナ海の問題において、態度はますます強気になっている(中略)。ここは石油天然ガスの貯蔵が豊富で、巨大な利益がある。また、中国側にとって、現場はその大多数のエネルギーと貿易船の航路であるため、それをしっかり確保しなければならないと認識しているであろう」と分析した。

米国のクリントン国務長官は昨年、同海域の主権問題の平和解決は、米国の戦略的利益に沿っていると発言している。

(翻訳編集・叶子)
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