中国人が唯一、「成功した人生」と認めないこと

【大紀元日本9月14日】

イギリスのある小さな町での出来事

毎日、街頭で歌を歌いながら生計を立てている青年と、家族から遠く離れ、イギリスで仕事をする中国人の女性が出会った。2人は同じレストランで食事をするうちに、徐々に親しくなっていった。

ある日、女性は親切心から青年に言った。「街頭で歌うことなどはやめて、もっとまともな仕事を探したら?中国で学校の仕事を紹介してあげるわよ。今より高い給料をもらえるはずよ」

若者は少し驚きながら、次のように言った。「まさか。僕の今の仕事は正当な職業だよ。僕はこの仕事が好きだし、他の人にも楽しんでもらっている。なぜ僕が、海を渡って、身内を捨てて、郷里を捨てて、好きでもない仕事をする必要があるんだい?」

彼にとっては、家族と一緒に平穏な生活を送ることが最大の幸福であり、それを犠牲にしてまで富を得たいとは思わないのだ。

中国山東省に住む夫婦

新婚の時、妻は済寧、夫は棗庄で仕事をしていた。幾年か経て、妻は棗庄に異動したが、夫はカ沢市に転出した。また何年かが過ぎ、妻はカ沢市に異動したが、まもなく夫は上司に抜擢されて済南に赴任した。妻はまた知人に頼み、ようやく済南に異動したが、1年も経たずに夫は重慶に転勤した。

妻の友人たちは、よく冗談を言った。「2人はまるで、織姫と彦星のようね。いいかげんに、仕事で旦那さんを追い駆けるのをやめて、退職したら?」

しかし、舅姑と両親は皆、妻が退職することに反対した。「長年働いてきて、まもなく退職することだし、しかもいい仕事だ。退職したら、勿体ないのではないか?継続して働き、もう少し子供のために稼いだらどうか」

彼らは経済的に余裕があるが、退職できずに今なお織姫と彦星のままである。

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現代の中国人には、高官になって高給取りになること、または大金持ちになることを目標とする人が多い。家族と離れて稼ぐことは、お金のためなら当然のこと。一方、唯一成功した人生と認めないのは、「睦まじい家庭を持ち、淡白な人生を送ること」である。

中国人は、目標のない生活を送ることができない。仕事のため、理想のため、金銭のため、子供のため、両親のため……いろいろな目的があるだろう。しかし、その中に唯一入っていないのは「自分のため」であり、唯一見捨てたのは自由と本当の自分である。

 (翻訳編集・李頁)