米上院、人民元切り上げを求める法案を可決

【大紀元日本10月13日】中国政府に対して人民元切り上げを求める「中国貨幣法案」が11日、米国上院で可決された。支持63、反対35で、支持票は上院で多数を占める民主党だけでなく共和党議員のものも十数票含まれていた。同法案は中国政府が人民元の為替を操っていると結論付けた。成立した場合、米国は中国からの輸入品に対して、ダンピング防止税を課すことができる。

経済学者の見解では、人民元の実価値は現相場より15%~38.5%低く抑えられている。同法案は、中国側が自らの経済利益のためにその貨幣価値を正確に評価しない場合、米国財務省が貿易産業省に命じて、一部の中国製品に対して強制的に関税を課すよう要求できる。

下院で多数を占める共和党は、同法案への審議に消極的である。党内の一部の議員は法案への支持を示しながらも、党指導部の意見に背きたくないという。ホワイトハウスも中国当局からの貿易報復を恐れているためか、支持する意向を示していない。

中国政府は同法案に強く抗議すると表明し、成立した場合、貿易戦争を引き起こすことになるとし、そうなれば世界経済の回復には不利だと強調した。中国外交部の崔天凱・副部長は10日の記者会見で、米中関係に強く影響する可能性を示唆した。

以前、オバマ大統領は、中国政府が為替を操って国際貿易をコントロールしていると非難していた。同大統領は先週ホワイトハウスでの記者会見で、次のように述べた。「中国は今まで貿易システムの中で非常に大胆に賭博ゲームをしてきた。自分たちは優勢を得るが、他国特に米国を不利な立場に追い込んでいる」

その一方、同大統領は、同法案はWTOの支持を得られるかどうかを憂慮している。

法案の支持者は、現在の米国の法律と多国間の争議を解決するシステムでは、中国政府の不当なやり方を制することができないと指摘した。大多数の支持者は次のような認識を持っている。つまり、中国政府が人民元の為替レートを低く抑えているため、中国製品は米国の同類の製品より3割以上も有利な価格となる。そのため、米国の貿易赤字を拡大させ、失業者数が増えている。

一方、法案の反対者は、中国との貿易戦争を引き起こすことになると憂慮している。共和党議員で下院議長のジョン・ベイナー氏は、「米国と世界の経済の見通しが不明瞭である中、貿易戦争は非常に危険であり、関わるべきではない」と述べた。

 (翻訳編集・叶子)

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