数十トンの濃硫酸が嘉陵江に流失 現地政府「水質に問題なし」=四川省

【大紀元日本10月24日】 四川省広元市で16日、2台の大型タンクローリーが追突する事故が発生した。積載した濃硫酸の大半が、付近の内陸河・嘉陵江に流れ込んだ。現地政府は、水質は汚染されていないと公表し、現地市民への生活用水の供給を止めていない。専門家らは環境への深刻な汚染を指摘している。

ラジオ自由アジア(RFA)によると、同日午後、同市の広陵高速道路上で発生したこの追突事故で、タンクローリーの注入口の弁が破損したため、38トンの濃硫酸が大量に漏れ出した。同市環境保護局の責任者は、大部分の濃硫酸が嘉陵江に流失したと公表している。

同河は地元市民の生活用水の水源である。

RFAの報道によると、地元の関連政府機関の関係者は水質は汚染されていないと主張した。「嘉陵江の水流が非常に急であるため、通常では流れた濃硫酸は5時間以内に全て希釈される。環境保護機関が測定した結果、水質の各指標は全て正常だ」という。

また記者が19日、同市環境保護監測課に電話取材したところ、対応した関係者は最初、事故直後のサンプル検査では水質は完全に正常だと答えたが、その後、事故直後は水質は若干汚染されたが、2日後に正常になったと二転三転の説明を繰り返した。

北京工業大学環境・エネルギー工程学院の匿名教授は海外メディアに対して、今回のようなケースでは、流失した濃硫酸は希釈されても、酸度が残るため、人間が飲用してはならないとの見解を示した。また、川の水生物の大量死は避けられず、環境への被害は極めて大きいという。

記者が現地市民に電話取材したところ、ほとんどの人はこの事故をまったく知らず、市民は皆この水源の水を飲用していると答えた。

環境保護活動家で、環境保護のノーベル賞とされているゴールドマン環境賞を受賞した浙江省在住の陳法慶氏はRFAの取材に対して、次のコメントを寄せた。「中国国内ではこのようなケースはよくある。水質は明らかに汚染されているのに、環境保護機関の測定結果は正常だ。中国の水質の良し悪しは彼らが決めるのだ。社会的不安を避けるため、極めて日常茶飯事に行われていることだ」

 (翻訳編集・叶子)
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