パキスタンに初の中国軍基地建設か 当局、米国インドけん制狙う 

【大紀元日本11月7日】香港メディアのアジア・タイムスは先月26日、パキスタンは、同国南西にあるグワダル港に中国海軍基地建設を中国に求めていると伝えた。対テロ対策と目してパキスタン北部の軍事基地建設に関心を注いでいた中国だが、軍事港建設には、増強を重ねるインド海軍に対抗して、対インド国境問題やインド洋戦略の拡充が狙いと見られている。もし両国が基地建設で合意すれば、初の中国軍基地となる。

2007年開港のアラビア海に面するグワダル港は、パキスタンで唯一、大型貨物船や潜水艦も寄港できる大型港。当初から中国当局が8割の建設資金を提供していた。ペルシャ湾から東アジア方面に向かうタンカーの唯一のルートであり、中国海軍基地が建設されれば、軍艦隊のインド洋海域における戦略的要地となりうる。

中国海軍基地建設について、パキスタンが要請していると同国ムフタール国防相は述べており、「海軍基地がグワダルで建設されるなら、我々は中国政府に感謝する」と発言している。

パキスタン紙ニューズは、両国の軍事・政治の指導部が両国の出入りを重ね、軍事基地建設について数カ月前から検討を重ねているというイスラマバードの外交筋の話を報道している。中国西部の軍事配備について中国政府は一貫して、パキスタンで軍事訓練を行っていると見なされる国際テロ組織・アルカイダ傘下の東トルキスタン独立運動組織(ETIM)による「テロ活動」の阻止を主張している。

両国を行き交った要人として、パキスタン側はアシフ・アリ・ザルダリ大統領やラバニ外相、そしてパキスタン軍の諜報機関・ISIのパーシャ長官の名が挙げられる。中国側は9月末ごろ、孟建柱公安部書記がパキスタンを訪問しギラニ首相と会談した。この際、孟書記は同国治安維持の名目で128万ドルの援助と軍事品の提供、また経済・技術分野で2億5千万ドル相当の支援を約束したという。

新疆ウイグル自治区とパキスタンの一部地区で活動するイスラム過激派組織の存在について、両国は「テロの脅威」との共通認識を持つと名言している。ギラニ首相は、8月の中国の胡錦濤国家主席との電話会談ののち、「新疆自治区のテロリストは凶悪な力」と述べており、孟書記の訪問の際にも「中国の敵は我々の敵」と発言している。また、両国は、周辺地区へのインドの影響力についても警戒しているという共通点を持つ。

ある中パ関係研究者は、中国は戦略的なパキスタンへの影響力を高めていると主張する。また、軍事施設のほかに新たな石油パイプライン、鉄道建設計画も進めており、米国とインドをけん制するものと見ている。 

(翻訳編集・佐渡 道世)
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