人民元問題で異なる内容 胡錦濤主席G20演説に2つのバージョン

【大紀元日本11月10日】胡錦濤主席のスピーチ原稿に2つのバージョンがあった。3日、仏カンヌで開かれたG20首脳会議で胡錦濤主席は「重要演説」を行ったが、中国側が欧米メディアに流した英語版スピーチ原稿と、中国国内で報道された原稿に内容上の相違があった。

英語版では次の記述がある。「新興国に通貨の切り上げや輸出の削減を繰り返し要求することは、均衡のとれた成長にはつながらない。逆に、世界経済を『均衡のとれた衰退』に陥らせ、持続可能な成長を不可能にしてしまう」

この内容は、中国当局が人民元切り上げを拒否する際に使ってきた文言の中でもっとも強硬なものだとされている。

一方、中国国内向けに報道された同主席の演説内容にはこの記述はない。新華社の英語版ウェブサイトにも3日の夜に同記述はあったものの、翌4日には、同段落は削除されている。

8日付のウォール・ストリート・ジャーナルは、胡主席の演説(英語版)が出稿されたあと、中国側から中国語版の内容を使うよう要請されたことを明らかにした。しかし、すでに原稿が印刷所に回され、変更は間に合わなかったという。

胡主席の演説は首脳や高級閣僚を対象とした非公開会議で行われたため、実際にどちらの原稿を採用したかは不明。だが、2つのバージョンを用意したことについて、ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国は自身が難しい舵取りを迫られていることを認識していると指摘。つまり、人民元切り上げを要求する政治的圧力が世界中からかかる中で、中国国内の経済成長と輸出の鈍化のため、その対極にある人民元の据え置きが必要、という難局に中国政府は直面している。

 (翻訳編集・張凛音)
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