【生活に活きる植物】 47・朮(オケラ)

【大紀元日本11月18日】オケラは中国原産で、日本にも山野の日当たりのよい草原に自生するキク科多年草。秋にアザミに似た白や淡紫色の筒状花が咲き、苞は魚の骨のように細かく裂け、長い地下茎を持っています。根茎の皮を剥ぎ取って乾燥したオオバナオケラは、生薬の白朮(びゃくじゅつ)です。また、中国産のホソバオケラの根茎が生薬の蒼朮(そうじゅつ)です。

【学名】Atractylodes japonica

【別名】うけら、をけら

【成分】精油(アトラクチオンなど)、多糖類など

【薬用効果】白朮は、脾、胃に働き健胃、祛湿作用があり、食欲不振、下痢、むくみ、多汗、疲労倦怠に有効であるとともに、切迫流産など妊娠中の腹痛や神経痛、リューマチなどの痛み、しびれにも有効です。一方、蒼朮は健胃剤として用いますが、水湿の代謝異常による水腫や神経痛にも効果があります。

オケラ

【食用】若芽をさっと茹でて和え物や酢の物、天ぷらなどにします。生のままてんぷらや汁の実にすると、苦味が楽しめます。白朮は屠蘇散に使われます。

【余談】オケラは「厄除け」の植物とされています。京都八坂神社の大晦日から元旦にかけての行事「をけら詣り」では、オケラの根茎を入れて篝火(かがりび)を焚き、参詣者はその火を家に持ち帰って燈明に点じたり、元旦のお雑煮を作る際の火種として使い、1年の無事を祈願します。また、梅雨の時期、除湿の目的で根茎を室内でいぶすとカビの発生を防ぎ、蚊を取るのにも有効です。湿気の多い地方ではよく行われたようです。

オケラと苞

(文と写真・ハナビシソウ)

関連記事
人生の黄金期に入り、コストが低く快適な退職生活を送ることができる場所を選ぶことは非常に重要です。幸い、地球上にはアメリカよりも生活費が低い国が多くあり、その中の7カ国では、月に10~13万円前後の支出で楽しい退職生活を送ることができます。
多くの人が長生きして幸せになりたいと願っていることでしょう。これはどこの国の人にとっても共通の願いです。実は長 […]
アメリカのリーバイス(Levi’s)は、デニム生地とジーンズの製造で有名であり、その製品は世界中で販売されています。ジーンズをいつ洗うべきかという問題に対して、同社の最高経営責任者が自身の考えを表明しました。
古代中国では、二輪の戦車は戦場に欠かせない乗り物でした。紀元前2000年ごろの夏(か)の時代に現れ、歩兵や武器を戦場で移動するために使われました。
地域や王朝によって形の異なる太鼓が生まれ、それぞれ異なる場面で使用されました。