中国、「偉大な指導者」に弔電 「共に立つ」と金正恩体制支持を明確に

【大紀元日本12月20日】北朝鮮金正日総書記の死去を受け、中国政府も19日、慌ただしい一日を送った。中国共産党と政府は「深い哀悼の意」を表するとともに、「朝鮮半島と地域の平和的安定を維持する」ため、北朝鮮とともに努力する決意を表明している。

中国政府:中国人民は永遠に朝鮮人民と共に立つ

金正日総書記の死去が伝えられた19日の夜、中国共産党中央と全国人民代表大会(全人代)常務委員会、国務院、中央軍事委員会の連名で、北朝鮮側に対して深い哀悼の意を表す弔電を送った。

弔電の中で、金総書記を「朝鮮労働党と北朝鮮の偉大な指導者であり、朝鮮式社会主義強盛国家の建設という偉大な事業に生涯にわたって力をささげ、不朽の功績を残した」とたたえている。その上、「朝鮮人民は金正日同志の遺志を継ぎ、朝鮮労働党の下に緊密に団結し、金正恩同志の指導の下で、社会主義強盛国家の建設と朝鮮半島の恒久平和のため前進しつづけると信じている」として、朝鮮半島の安定を重視する姿勢を強調し、金正恩体制への支持を鮮明に打ち出した。

さらに弔電では金総書記を「中国人民の親しい友人」とたたえ、「中朝両党、両国、両国人民の友情は今後も発展していくと信じ、中国人民は永遠に朝鮮人民と共に立つ」と引き続き北朝鮮を支持していく姿勢を明確にした。

弔電より早く、外務省の馬朝旭・報道官も「金正日同士は北朝鮮の偉大な指導者で、中国人民の親しい友人」とたたえた上、「中国と北朝鮮はともに努力し、朝鮮半島の平和的安定を維持するため積極的に貢献する」と声明を発表した。

「挑戦がいっぱいだ」

金正日総書記が死去した北朝鮮は19日、三男で朝鮮労働党の中央軍事委員会副委員長、金正恩氏(28)の指導体制を明確にした。これに対して、中国人民大学の時殷弘教授はヴォイス・オブ・アメリカ(VOA)に対して、正恩氏への権力移譲の準備は不足していると指摘した。「彼(金正日)が亡くなった後の北朝鮮が安定を保てるのか、権力層は団結を保てるのか、新しい政権がスムーズに始動できるのか、この中に挑戦がいっぱいだ。(その出方は)北朝鮮や朝鮮半島、北東アジアにとって非常に大きな影響を及ぼす」との見方を示した。

ロシア自由民主党のジリノフスキー党首は、北朝鮮の人々は現在の生活に不満を抱き、韓国の民主体制を羨慕しているとVOAに話している。だが、中国とロシアという北朝鮮の2大支持者が民主化しない限り、北朝鮮も変革が起きないとジリノフスキー氏は指摘した。

「毛沢東の死を思い出す」

中国政府の「親しい友人」の死去をめぐって、中国の民衆が一番関心を寄せたのは北朝鮮国民が指導者の死を慟哭する画面だった。「1976年の毛沢東の死を思い出した」とする書き込みがネット上に溢れた。

「毛沢東も金正日も神化されている」「毛沢東が死んだ時の中国人も、太陽が消え世の末が来たかと思っていた」「金正日の死と毛沢東の死は確かに似ている。当時の中国は長年の文化大革命を経て、人々の生活はどん底だった。今の北朝鮮も似たようなものだ」と綴られていた。

また、「フセイン、カダフィ、金正日。麻雀をやるには1人が足りない」「フセインもカダフィも金正日も69歳で命を絶った。ソビエト政権も69年で倒壊。なら2018年…」と、中国共産党が権力を掌握してから69年をほのめかすユーザーもいた。

(翻訳編集・張凛音)
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