広東語禁止令が来年実施 市民団結阻止が狙いか

【大紀元日本12月23日】広東省政府は12日、公式ホームページで「広東省国家通用語言文字規定」を公布した。2012年3月1日より、同省のラジオ局、テレビ局及びインターネット放送について、一律共通語である北京語を使うことを義務付け、実質上広東語の放送を禁止する。方言による放送を行う場合、関連政府機関の許可が必要で、同規定に違反する場合、関係責任者に警告し、処罰されるという。

昨年、広州市で開かれたアジア大会の期間中に、ラジオやテレビの方言放送が一時禁止されたため、市民の不満の声が上がり、香港人も含めて数千人が繁華街で抗議デモが起こった。後に、広東語放送を禁止する計画はないと当局が発表した。

同規定は国家公務員に対しても、特殊なケースを除いて、公務中の共通語使用を命じている。また、学校やその他の教育機関に対しても、共通語と中国当局が定めた漢字を、基本的な用語用字として使うことを定めた。

同規定に反発する書き込みはネットに殺到した。

中国版ツイッター・微博には以下のようなコメントがあふれている。「広東語を守るのは全ての人に責任だ。何故広東語はそこまで目障りなのだろうか?何故絶滅させないと気が済まないのか?」「行政の手段で地域文化を干渉するのも、共通語を敵視するのも反対する。もともと共通語と広東語は対立していない。最高指導部は広東語を使う人は中央に服従しないと見なし、共通語で全ての人を制御しようとする考え自体が間違っている」

またラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に応じた広東省出身の欧さんは、広東省では特に農村の人々は広東語のラジオ及びテレビ放送に慣れており、これが地方の特色でもあるのに、何故問題化するのかと疑問を呈し、「このことは、当局が提唱する『調和の理念』と相反するのではないか」と話した。

一方、深センで弁護士として働いている地方出身の王新意さんは、同規定は利点もあれば弊害もあると話した。王さんは、方言を使うとビジネスコストが上がり、民族の融合と団結に影響すると主張しながら、文化遺産として地域文化を保存するならば、小範囲で行えばいいのではないか、と述べた。

香港紙「明報」は18日付けで、広東省のテレビ局記者の話を伝えている。それによると、同テレビ局はまだ政府の関連通達を受けておらず、主要テレビ各局はみな広東語での番組の放送を行っている。その記者は取材で広東語を使用していた。しかし今後、広東語での取材ができるかどうかは不明だという。

深セン市在住の独立評論家・朱建国氏は、広東語の使用禁止は最近、広東省での大規模抗議事件の続発に関連していると指摘し、「最高指導部は広東語及び地方の伝統が影響していると認識しているようだ。そのため、広東語の使用を制限することで、市民のつながりを断ち切ろうとしている」と分析した。

(翻訳編集・余靜)
関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明