新疆の人質事件 政府公表に矛盾点

【大紀元日本1月1日】新疆ウイグル自治区ホータン地区の皮山県で28日に発生した「暴力テログループ」による人質事件に関して、中国当局の公表内容は現実的根拠に乏しいと指摘されている。また、政府メディアの報道も人質救出の点で大きく食い違っていることが判明した。

29日、中国政府メディアの報道により事件が公表された。その内容は下記の通り。事件が起きた28日午後11時ごろ「暴力テログループ」が2人を人質にしたため、警察が救出にあたり、その場で容疑者7人を射殺した。人質は無事に救出された。その際、警察官1人が死亡、1人が負傷した。

一方、翌日の30日、共産党の機関紙人民日報の傘下にある環球時報は、現地政府の説明として、次の内容を報道している。同テログループは現地の若者15人から成り、皮山県の南部の国境地帯から出国して、カシミールのテロ組織の訓練に参加する途中、道に迷った。28日夜、山で2人の現地遊牧民に遭遇し、2人を人質に取った。その後、人質は無事に逃げ出し、警察当局に通報した。

その後、警察の一行が現場に駆けつけたが、テログループのメンバーが多く、凶器での激しい反撃となり、一人の警官が殺された。説得に応じない中、やむを得ず、警察隊は銃撃することとなり、テロリストたちを射殺、負傷させ、身柄を拘束した。

中国国内の各メディアは政府の公表としてこの報道を転載した。

上記の2つの報道で、警察当局は人質を救出するためにテロリストを射殺した、という肝心な内容が食い違っているのは明らかだ。

また、「テログループが現地の国境地帯から国外に潜り抜けようとした」という公表について、ラジオ・フリー・アジア(RFA)の報道は現地遊牧民の見方を報じた。

現地の地形を熟知する観光ガイドの男性は、「通常では、現地から国外脱出することはない。このような事例を聞いたこともない。この国境地帯には、海抜が非常に高い崑崙山があり、道がなく凍死するしかないからだ。カシュガル地区からの国外への脱出が一般的である」と説明し、中国政府の上記の説明は現実的根拠が乏しいことを指摘した。

(翻訳編集・叶子)
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