2012年の世界10大リスクに「中国」 南シナ海問題が焦点=米分析企業

【大紀元日本1月6日】国際政治上の危険要因を分析している米国コンサルティング企業ユーラシア・グループ(本部ニューヨーク)は3日、2012年の世界10大リスクを発表した。その1つに「中国」が挙げられた。中国は、経済問題より南シナ海をめぐる領土紛争が周辺諸国の安全を脅かすと指摘した。

報告書では、民族主義の台頭や指導部の交代、そして世界の舞台での役割の不安定性から、2012年に外交において「驚きの行動」に出るリスクが高じていると分析した。

これについて、作成者の一人、同グループの研究主任であるデービット・ゴードンは次のように述べた。

「2012年は、アジア太平洋地域で経済大国として君臨する中国と同地域での主導権を取り戻そうとする米国との力関係が試される年になる。中国の隣国は南シナ海問題において、大胆な行動をとる可能性があるが、権力交代が真っ只中の中国は更に強い姿勢を示すと予想される。米国の反応が鍵となる」

さらに、米中間でサイバー戦争が勃発し、アジア太平洋地域の衝突がますます複雑になるとの見方を示した。

中国と領海問題のあるベトナムとフィリピンは米国との連携を緊密にしたほうが有利だと判断している。この2カ国は衝突を起こし、米国に介入させることによって自国の利益を守りたいとの思惑があるという。

米国は2011年にオーストラリアに軍隊を派遣することや、インドネシアに新型戦闘機F-16を供与すること、シンガポールに新型艦艇を配備するなど、中国へのけん制策を図ってきた。中国政府は、米国のこの一連の動きに不安を抱いているはずだ、と報告書はまとめた。ただ、隣国は中国の経済発展から恩恵を受けたいと思っているながらも、中国に敬遠されたくないという思惑があるとも指摘した。

懸念されている中国経済のハードランディングについて、報告書は長期に及ぶ問題のため、2013年や2014年に経済によるリスクが高まるが、今年に関して言えば、問題が顕著に現れることはないと分析している。

一方、中国社会科学院は4日、「亜太青書」を発表し、米国が南シナ海問題を足がかりにアジア回帰を実質的な段階に導き、中国の隣国は安全保障に米国に頼りながら、台頭する中国の経済から恩恵を受けようと「ダブルメリット」を期待していると指摘した。米のアジア回帰の本質は「米中間の競争」でもあると述べた。

 (翻訳編集・高遠)
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