台湾総統選に羨望のまなざし 中国市民「民主制度の勝利」と賞賛

【大紀元日本1月17日】4年に一度の台湾総統選馬英九総統の再選で幕を下ろした。総統選の過熱ぶりは中国本土でも高い関心を呼んでいる。新浪、網易、捜狐など大手ポータルサイトが特集を組んで報道するほか、中国版ツイッターの各ミニブログでも関連話題が飛び交っている。

親中路線を掲げる馬総統の再選により、対中融和が一段強化されるとみられている。しかし、中国本土の市民は総統選の結果が中台関係に及ぼす影響にそれほどの関心を示していない。彼らは今回の総統選を「民主主義制度の勝利」と称え、対立候補の蔡英文氏の敗退を「名誉ある敗戦」と暖かく見守った。同じ中華圏でも、改善が見込めない本土の一党独裁の現状が改めて突きつけられ、成熟する台湾の民主主義制度への渇望はいっそう掻き立てられた。

ネットユーザのqqttffは「祝福すべきのは馬英九の再選ではなく、憲政民主制度が台湾で成熟したということだ。有権者と政治家はみな、試練に耐え、いい成績を出した。これは台湾の幸せ、台湾人民の幸せであり、大陸の将来の見本と希望でもある」と書き記した。

人気作家の慕容雪村氏は自身のブログで「馬氏が勝っても、蔡氏が勝っても、最終の勝者は台湾だ。これは制度の勝利だ」と賞賛した。

深せん大学政治学専門の張濤氏は中国市民の総統選への関心が高かったことについて、「台湾の選挙制度と台湾人民が享受している政治的自由を中国本土の目標にしたいから」と市民の胸中を代弁し、「台湾選挙への注目は本土の民主化への関心の高さを表している。市民は本土の民主化を望んでいる」と言い切った。

中国政府は14日、総統選の結果について「北京が推し進める両岸政策が台湾人民に受け入れられた結果だ」との声明を発表したが、台湾の選挙制度や民主化の実現について触れなかった。

あるネットユーザは「蔡英文の敗戦スピーチは台湾の民主政治がすでに軌道に乗ったと物語った。これでも台湾の民主が混乱そのものだと言えるのか!これでも中国人が民主主義に適していないと言えるのか?(中国共産党は)恥ずかしくないのか?」と厳しく糾弾した。

一方、台湾総統選に影響され、本土の民主化が前進するのかについて、専門家らは批点的な見方を示している。前出の張濤氏は「市民の民主主義への渇望は北京政権にとって圧力になるが、中央政府が政治改革を行う日まで道のりはまだ長い」と米VOAの取材に対して述べた。

(翻訳編集・高遠)
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