月385時間 オリンピックのマスコット生産工場の過酷労働

【大紀元日本1月25日】2012年のロンドンオリンピックマスコットはすでに英国内で人気を博している。しかし最近の英国メディアは、このマスコットグッズを生産委託している中国工場について、労働状況が非常に過酷で労働者詐取していると報じた。オリンピック組織委員会はこの問題を全面的に調査し始めている。

英大衆紙サンは19日、「オリンピックの奴隷」と題する取材記事野中で、問題となっている江蘇省塩城市にある工場・彩虹公司の労働状況を取り上げた。

マスコットの小売価格は20ポンド(約2400円)、同工場の従業員時給は25元(約0.26ポンド≒32円)。一個当たりの労働者給与額は0.18ポンド(約22円)になり、小売価格の1%に満たない。

この報道によると、労働者たちに休日はなく、毎日の労働時間は12時間で月合計385時間にもなる。工場で働く40代の女性従業員は同紙の取材で、「疲れ果てているが、ほかの選択肢がない」ともらした。

ロンドンオリンピック組織委員会は、サン紙のこの報道に関心を示した。

AFPによると、同組織委員会スポークスマンは「非常に厳粛」にこの告発を対処すると示し、独立調査官を派遣し全面的調査を行い、その結果を公表するという。

2010年8月、英国中部のゴールデン・ベアー社が同マスコットの作製権を獲得し、その生産を江蘇省塩城市の彩虹公司に委託した。

ゴールデンベアー社は公式サイトで声明文を発表、中国工場での労働者権益侵害の問題に強い関心を持っていると発表した。

ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は同工場の元従業員を取材した。2007年から2008年に同工場に勤務していた朱生栄さんの話では、朝7時に出社、毎日13、14時間働く。残業代はなく、休日もない。年間の休みは国が定めた数日の祝日しかない。朱さんは、「給与と労働のバランスは正比例を成していない」と述べた。2008年に仕事中の不慮の事故で、会社に強制解雇された。会社側はその保険金の支払をも拒否したという。現在、朱さんは会社を相手取り訴訟中だ。

 (翻訳編集・叶子)
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