米国大使「中国の情勢、極めて微妙」

【大紀元日本1月26日】中国駐在のギャリー・フェイ・ロック米国大使(Gary Faye Locke 中国語名:駱家輝)はこのほど、中国は米国にとって強豪な競争相手であり、中国が発展する上での意図を憂慮していると発言した。また、中国の人権状況は悪化し続けていることも指摘し、中国の社会情勢は現在、極めて微妙な状況にあるという見解を示した。

ラジオ・フランス・インターナショナル(RFI)は関連報道で、「中央アメリカのほか、中国はアフリカで立て続けに油田の採掘権を手に入れており、争議に発展している。中国は発展途上国におけるエネルギー開発の計画を明確にすべきだ」と評した。

米国系中国人3世であるロック米国大使は、公務で一時帰国する際、NPR(米国公共ラジオ放送)などのメディアの取材に応じた。

取材の中で、ロック米国大使は、中国のアフリカや南米でのエネルギー開発を注視すべきで、各国も中国政府の意図には疑念を抱いていると指摘。中国政府の一部の行動を憂慮しているとし、南シナ海での領土問題の紛争や経済政策の事例を取り上げた。

同大使は、オバマ大統領が昨年11月のAPECで、中国政府に対して、世界のルールを遵守するよう要求したことを再び取り上げた。

また、中国の人権状況の悪化も指摘し、次のように解説している。「2008年北京五輪以降、当局は社会の安定と経済の発展を維持するため、政治の異見を持つ人々への取締を強化した。昨年9月以降、広東省陸豊市の烏坎村では農地の強制売却に反対する村民たちが長期間の抗議活動を展開しており、国民が政府の運営、幹部の汚職や不透明な政治活動に不満を抱いていることを反映するものだ」

そして、同大使は、中国政府がインターネット上の情報を通して国民の状況を把握することを進言した。中国の情勢は現在、概ね安定しているかという質問については、同大使は、「極めて微妙な状況だ」とコメントした。

「コンパスや、印刷の技術、紙の発明、地震探測装置を発明した中国は、古くから世界文明のリーダーと自認してきた。しかしここ半世紀、中国は多くの分野で遅れをとっている」と同大使は述べ、一部の中国人は共産党政権が中国を後退させたと認識しているとも語った。

一方、駐米の張業遂・中国大使は、ロック米国大使の見解について、米中両国は意見の食い違いを解消するため、対話を強化し、両国関係の安定と発展を促すべきだと発言するに留まった。

(翻訳編集・叶子)
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