【評論】最終ターゲットは江沢民か 混迷する中国政局の今後 後半

周永康氏と江沢民派は、なぜ薄煕来氏を守りきれなかったのか

江沢民氏と周永康氏は、望んで薄煕来氏を見捨てたわけではなく、守りきれなかったのだ。今年までに、中国共産党の最高指導機関で、政策を討議・決定する中共中央政治局の9人の委員の中、6人は自ら重慶市に訪れて、薄煕来氏が大々的に宣伝している「唱紅打黒」「唱紅打黒(革命ソングを歌い、マフィア組織と汚職を取り締まる)」という政治運動への支持を示した。

その6人とは、呉邦国、賈慶林、李長春、習近平、賀国強、周永康の各氏である。しかし、王立軍事件発生後に開催された最高指導部の重要会議「両会」では、薄煕来氏を懸命に支持するのは周永康氏しかいなかった。つまり、今の情勢と力関係の均衡は変化したのだ。最も主要な原因は、胡錦濤・軍事委員会主席が昨年末から始まった軍部への調整である。

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