中国語大紀元、一時アクセス不能に 中国大陸から大規模なハッカー攻撃

重慶市元副市長の王立軍氏が、2月始めに米国総領事館に駆け込んだ事件が発生した後、大紀元グループは、同事件を引き金として誘発された中国政局の激変について、多くの関連情報や専門家の意見を収集し報道してきた。国内外の読者はこれらの報道に強い関心を示しており、大紀元中国語、英語、韓国語などのサイトアクセス数は大幅に増加した。しかし、28日午後4時頃、中国語サイトは中国大陸からの大規模なハッカー攻撃を受け、一時アクセス不能状態に陥った。攻撃は翌29日も続き、地域によっては断続的に接続不能となった。システムは現在、全面的に復旧している。

 大紀元グループの唐忠・総裁によると、同社技術チームは今回のハッカー攻撃が中国からのものであることを突き止めた。近いうちに、収集した関連の証拠資料をFBIに提出し、さらなる調査を進めていく方針だ。

 大紀元技術部は「大紀元ウェブ版(中国語)は開設してから十数年となるが、この間、たびたび中国本土からのハッカー攻撃の対象となってきた。小さな嫌がらせはほぼ毎日続いている。しかし、今回の攻撃はこれまでの最大規模だ」と説明した。

 大紀元は2000年に米国で華人たちにより設立され、中国政府が検閲・封鎖している情報を報道することを主旨としている。そのため設立当初から、中国政府に攻撃のターゲットとされてきた。

 冒頭の王立軍事件が発生した後、中国政府は公式ルートで情報をほとんど公開していない。一方、指導部の各権力の派閥は裏で海外のメディアにそれぞれに有利な情報を故意に流している。そのため、情報が錯綜し、様々な憶測が飛び交っている。

 こうした状況の中で、ここ1ヶ月以上、大紀元は迅速に情報を収集・選定し、多くの中国問題の専門家の意見をまとめて、関連報道を大量に出し続けている。薄煕来氏の失脚を最初に予測したのは大紀元(中国語)だった。また、早い時期から大紀元は、江沢民派の中心メンバーであり、法輪功の弾圧を指揮してきた中央政法委のトップ周永康・書記に注目し、いずれ弾圧を支持しない胡・温政権から責任を追及され、政権から排除されるだろうと予測してきた。周書記の動向は現在、海外メディアの注目の的になっている。

 事件に注目する国内外のユーザーも大紀元に集まってきている。技術部の統計によれば、中国語ウェブサイトへのアクセスは、王立軍氏が米総領事館に駆け込んだ2月6日に、通常の4.4倍に跳ね上がった。さらに今月15日、薄煕来氏の解任が発表され、アクセスは2月に比べて倍増した。

 中国からの執拗なハッカー攻撃が28日に始まった。影響力を強めている大紀元の報道に脅威を感じたと見られている。同日午後4時頃から6時過ぎまでサイトのアクセスが不能になり、翌29日も数回に渡るハッカー攻撃とみられるシステム障害により、ページが開かない、画像が閲覧できないなどの支障が出た。現在は復旧している。

 今年、設立12年目となる大紀元グループは、日本を含め世界各地で40以上の支社を設け、11カ国語の新聞を発行し、18カ国語のウェブサイトを運営している。中国語新聞の毎週の総発行部数は200万部。「華人がいるところに必ず大紀元がある」という目標をほぼ実現し、発行区域が最も広い中国語新聞となった。また、ウェブ利用状況のデータを集計する米アレクサ・インターネット社の統計によると、大紀元中国語サイトは国外で運営される中国語情報サイトの中で最大のアクセス数を記録している。

 

(記者・文華、翻訳編集・叶子)
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