米下院外交委員長が国務省に注文、「王立軍事件の回答待っている」

【大紀元日本4月2日】

米下院外交委員会のロスレーティネン委員長は3月28日、中国重慶市の王立軍・副市長(当時)が成都市の米国総領事館に駆け込んだ事件について、国務省に関連事項への回答を求めていると話した。同外交委員会はこれまでも、この事件の調査を行っていると公表していた。ロスレーティネン委員長は、オバマ政権が非常に価値の高い情報源を受け入れなかったかもしれないなどと指摘、「本件に関する多くの問題には答えが必要。私はすでに国務省に要請した。いまはその回答を待っている」と述べた。

ロスレーティネン委員長が言及している「多くの問題」は、王立軍氏が米国総領事館に駆け込んだ際に提出した資料の内容だとみられる。

米情報サイトのワシントン・フリー・ビーコン(Washington Free Beacon)は2月15日、ベテラン記者ビル・ガーツ氏が米政府関係者からの情報として事件当時の状況を伝えていた。それによると、2月6日、王立軍氏は車で重慶市から200キロ離れた成都市に行き、変装して米総領事館に入り、一晩留まった。その間、米国側には多くの内部資料を提供し、その翌日に中国政府関係者に連れられて領事館を出た。

これまでの情報によれば、王立軍氏が米総領事館に渡した内部資料は江沢民派の重鎮2人に不利な証拠である。2人は、当時の重慶市トップで3月15日に解任された薄煕来・書記と、公安、司法、検察等を主管する中共中央政法委のトップ周永康氏だ。両氏が連携して、ポスト胡錦濤とされている習近平氏を転覆させようとしている証拠のほか、薄煕来氏が監禁中の生きた法輪功学習者の臓器摘出を指示する録音テープや内部極秘資料、周永康氏が率いる中央政法委が法輪功や、民主活動家の弾圧を命じる内部通達などが渡されたという。

米政府はいつこれらの資料を公開するのか、外部は待ち続けている。

米国在住の人権活動家・唐柏橋氏は、「米国政府ははっきりと分かっているはず。だれもがこの事件を隠し通せない。関連の情報を徐々に公にすべきだ」「中国共産党政権の人たちが組織的に法輪功学習者の臓器を強制摘出している、これが事実であれば、民主国家の指導者たちがはっきりと認識すべきなのは、もうこの中共政権を存続させてはならないということだ」と述べた。

 (記者・董韻、翻訳編集・叶子)
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