脱北者5人韓国へ、3年間大使館滞在を経て

【大紀元日本4月5日】駐北京の韓国大使館が保護した5人の脱北者は4月1日無事に韓国に到着した。ラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

一行は2009年、韓国大使館に駆け込んだ。あれから3年間、彼らは大使館から一歩も外へ出られなかった。中国公安当局に逮捕され、北朝鮮に強制送還されるからだ。中国から出国することも許されなかった。

2008年までは、中国にある在外公館あるいは国連機関に駆け込みが成功した脱北者に対して、中国政府は「強制国外退去」の措置を取り、第三国経由で韓国に向け出国することが許されていた。

RFAは、「中国政府は日本大使館と交渉し、当時日本が保護した脱北者の国外退去を許可するかわりに、今後脱北者を一切保護しないという内容の承諾書を交わした」と報じ、その後、中国政府は韓国側とも交渉したが、その要求が受け入れられなかったという。

そのため、冒頭の5人は中国から出国することができず、事実上、3年間韓国領事館に閉じ込められた。

今年2月、中国政府が脱北者たちを強制送還したことが公にされて、韓国政府と民間の支援団体は強い抗議を行い、国際社会の支持を得た。

一カ月後の3月末、ソウルでの核安全保障サミットに出席した胡錦濤・国家主席は韓国の李明博・大統領との会談で、脱北者の問題が再び議論されたもよう。

胡・国家主席は人道主義や、国際法と国内法に沿ってこの問題に対処するという従来の姿勢を繰り返した上、「韓国のこの問題における立場を考慮する」と付け加えた。

今回、5人が韓国に入国できたことについて、RFAは韓国側の一部の見方として、この一件は特例に過ぎず、中国政府の脱北者問題への姿勢が変わったと判断するのはまだ早いと報じた。

また、韓国外務省によると、瀋陽と上海の韓国領事館も計7人の脱北者を保護している。近いうちに国外強制退去の処分を受けて第三国経由で韓国に向け出国する予定。

 (翻訳編集・叶子)
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