長江に生息するイルカ、絶滅の危機に

【大紀元日本4月24日】長江の固有種であるヨウスコウ・カワイルカ(揚子江河海豚)の相次ぐ死亡が確認されたと国内の複数のメディアが報じた。死亡したイルカの消化器官に食物が残っていないことから、専門家は餓死の可能性が高く、三峡ダムの建設によって、生態環境が破壊されたことが原因だとみている。

淡水に生息する同イルカは主に長江三峡ダム下流に有る鄱陽湖(はようこ、江西省)と洞庭湖(どうていこ、湖南省)に分布している。ここ一ヶ月、2つの湖で12匹の死亡したイルカが発見されたという。江西省漁政局副局長・陳芙氏は、今年に入ってから、天候の影響で湖が枯渇、イルカの食糧が不足し、餓死した可能性があるとの見解を示した。

資料によると、2006年に長江に生息していたイルカは1200~1400匹だったが、2011年には半減したという。さらに今年の1月の調査では、洞庭湖に生息するイルカは僅か85匹、鄱陽湖には300~400匹が生息と大幅に激減し、パンダよりも希少な動物になったという。専門家らは、現在の生態環境なら、イルカは毎年5%~10%のスピードで減少し、15年内には絶滅すると注意を呼び掛けている。

その原因について、三峡ダムの建設で長江の生態系が破壊され、イルカの餌が絶たれてしまったと専門家はみている。三峡ダムでは、2009年から最高水位175メートルの実験的貯水が3回行われており、地質災害増加への懸念から、今後さらに周辺住民10万人の移転が予定されている。三峡ダム建設による長江の中・下流地区の環境悪化はかねてから専門家によって指摘されている。

世界自然基金会(WWF)の韋宝玉氏は、地域の保護で象徴的な役割を果たしているイルカが絶滅した場合、その他の生態系の全滅を引き起こす恐れがあると危惧している。何故なら、食物連鎖のトップに位置するイルカの生息に適さない環境は他の生物の生存にも適さないからだと指摘した。

(翻訳編集・余靜)
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