露中、シリアへの国連制裁と独裁政権の退陣を改めて反対

【大紀元日本6月6日】5日から訪中しているロシアプーチン大統領は、シリア問題について、両国は国際社会の関与に反対する姿勢を改めて強調した。

これまでに、中ロ両国は国連安保理によるシリア制裁の決議を二回ほど阻止し、アサド政権の更迭を求める欧米諸国の意見を一貫として反対している。

中国外務省の劉為民・報道官は5日の記者会見で、「中国とロシアは同じ立場だ。外部の干渉や、政権交代を強引に進めることに反対する」と発言した。

その背景には、深い理由があるようだ。ロシアはシリアとはソ連時代からの友好国であり、最新鋭の弾道ミサイル等の武器援助国でもある。中国ともシリア国内の資源開発や投資分野で関係を深めている。

グルジア訪問中のクリントン米国務長官は5日、「外交・経済圧力の強化以外に解決法はない」とし、アサド政権退陣を訴え、露中に対し問題解決への協力を求めていた。

父子による40年以上の独裁体制を続けてきたシリアのアサド政権。反体制派の衝突が激化し続けており、2011年3月に始まった反政府運動による死者は、1月時点で5千人を超える。

プーチン大統領 露中の緊密化を明確に

ロシア国内メディアによると、5日に会談したプーチン大統領と胡錦濤主席は、2015年までに両国の貿易取引高を1000億ドルまで伸ばし、2020年までに倍の2000億ドルにすることを目指す。このほか航空機の共同開発や、宇宙・ハイテク分野のプロジェクトの推進、観光事業の強化などに合意した。

また訪中前、中国共産党の舌とされる「人民日報」にプーチン大統領の論文が掲載された。この中で、露中関係は「新しいタイプの国際交流の見本」とし、露中が迎える国際問題は、共通戦術及び戦略を作成するよう討議する、との姿勢を明らかにした。

(翻訳編集・叶子)
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