謎深まる民主活動家の自殺、中央政法委の暗殺説が浮上

【大紀元日本6月14日】謎の死を遂げた民主活動家・李旺陽さん(享年61)について、国外在住の中国民主活動家の郭保羅さんは自身のマイクロブログ・微博で、李さんは中央政法(司法、公安)委員会の指示で暗殺されたと書き込んだ。

死亡した湖南省在住の李旺陽さんは、1989年の学生民主運動「天安門事件」のとき、地元の労働者組織のリーダーとして学生のハンストを支援していた。その後、逮捕され「国家転覆罪」で延べ21年間監禁され、2011年5月に刑期満了で出所した。しかし今月6日、入院先の病院で死亡しているのが発見された。当局は自殺と判断しているが、家族は疑問を呈している。

郭保羅さんの書き込みによると、江沢民派が支配する中央政法委は、天安門事件を再評価する香港市民の声が年々高まるため、戒めという意味で李さんの暗殺を計画したという。同時に、党内の改革派をけん制する狙いもある。さらに、服役中拷問を受けた李さんは政法委の違法な取締りの証拠を把握していることや、香港メディアに注目されていることも理由のひとつである。

今年6月4日夜、香港のヴィクトリアパークでの追悼集会の参加者は18万人を超えた。翌日の5日、李旺陽さんは政法委の上層部に槍玉に挙げられ、6日に李さんが死亡した。

亡くなる前に、李さんは極秘に香港のケーブルテレビの取材で受けた拷問の実態を話した。「拷問用の手錠は手首のサイズより小さいため、錠をかけるときに、ペンチで無理やり閉める。ベンチで骨を縛るのと同然だ。彼らが力いっぱいでペンチを締める度に、激しい痛みでめまいが起こし、目が見えなくなった」という。

後に、この取材の内容は香港で報道され、大きな衝撃を起こした。

取材した林建誠記者さんは、彼は自殺するような人間ではないと強調、「紛れなく暗殺された」と指摘した。

李さんの死を受け9日、2万5千人の香港市民が抗議デモを遂行。中国当局に対して、李さんの死因を徹底的に調査するよう求めた。

当局と病院側は李さんの死を首吊り自殺だと説明したが、24時間の厳しい監視下での自殺が疑わしいと遺族と支援者らは指摘する。後に、当局は家族の同意を得られていないまま、遺体を火葬した。遺族らは暗殺の証拠を隠滅するためだと主張している。

 (記者・高紫檀、翻訳編集・叶子)
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