人民日報、「北朝鮮の子供たちは一日5食」、非難が殺到

【大紀元日本6月15日】北朝鮮国内で多数の餓死者が発生していると報じられる中、中国共産党機関紙「人民日報」は11日、「北朝鮮の幼稚園の子供たちは毎日5回の食事を取っている」と報じ、読者から皮肉と怒りのコメントが殺到している。

このほど、ピョンヤンを訪れた「人民日報」の女性記者団は北蒼光幼稚園を訪問し、記事で次のように幼稚園訪問を紹介している。

「1.3万平米余りの敷地内で、70数人の先生は8百人余りの幼児を世話している(中略)。食堂は広く、明るく、清潔感があふれる。専門資格をもつ栄養士がバランスの良い食事を提供している。子供たちは、ここで毎日5回の食事をとり、生まれてから社会に出るまで、北朝鮮の児童はきめ細かい保育と良好な教育を受けており、非常に感動した」。

また「多胎児の場合、国家最高指導者からのプレゼントがもらえ、女の子には金の指輪、男の子には銀の刀。教育費用も全額国が負担する」、などの記述もあった。

同記事はネットを中心に次のように皮肉を含んだ大きな反響を呼んでいる。

飢餓の国だけが、一日に5食と顕示するのだ」。

「人民日報の責任編集者の子供たちを幸せな北朝鮮の幼稚園に入れたらどうでしょうか」。

「今になってもいまだに公然と嘘を言いふらしている。特に理解し難いのは、嘘をついているのをだれもが知っているのに、それでも嘘を押し通している。誠に許せない」。

幼稚園訪問紹介記事を象徴するように、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、人民日報社長の張研農氏はこのほど、インターネットが発達する今、中国政府系メディアの信用が低下し続けていると認め、「若者の嫌味を聞いたことがある。つまり、半日間ミニ・ブログ(微博)を読めば、(中央電視台の)ニュース報道を1週間以上見続けないと、思考回路が元に戻らない」と話しているとVOAの記事で紹介している。

今回、殺到する嘲笑、罵声、批判に対して、人民日報はコメントを出していない。

(翻訳編集・叶子)
関連記事
人気オンラインゲーム「アクシー・インフィニティ」ソフトウェアに対するハッカー攻撃で6.15億米ドル(約780億 […]
[東京 24日 ロイター] – 海上保安庁は、防衛省の情報として、24日午後に北朝鮮から発射された […]
[ジュネーブ 21日 ロイター] - 国連のトマス・オヘア・キンタナ北朝鮮人権状況特別報告者は21日、北朝鮮に対し、政治犯収容施設で劣悪な環境に置かれた多数の人々を解放するよう呼び掛けると同時に、国際社会に核問題とともにこの問題を取り上げるよう促した。 キンタナ氏は、2014年の国連調査で最大12万人が収容施設で拘束されていることが判明したとし、その後も施設に関する報告を受け続けていると述べた。
[東京 11日 ロイター] - 松野博一官房長官は11日の閣議後会見で、北朝鮮による一連の軍事的な行動について、日本や国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できないと述べた。 防衛省は11日、北朝鮮が2月27日と3月5日に発射したミサイルを米政府と連携して分析したところ、いずれも大陸間弾道ミサイル(ICBM)級だったことが分かったと発表した。当該ミサイルの最大射程での発射試験を行う前に
[ソウル 4日 ロイター] - 米国の北朝鮮研究サイト「38ノース」は4日、商業衛星写真を基に、北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)核施設の活動が活発化しているとの見方を示した。 核分裂性物質の生産が行われているほか、施設拡大に向けた基礎工事が進められており、近く実験用軽水炉(ELWR)の稼働が始まる可能性があるという。ただ、プルトニウム抽出のために使用済み核燃料を再処理する放射化学実験室の能力拡大に向けた