誠実が一番

【大紀元日本6月19日】競争の激しい昨今、誠実正直な人は不器用であると言われます。ずる賢い人が出世し、利口な人が利益を得る時代。しかし、その一方で世の中の人間関係はとても緊張しています。誰も本音を語らない、味気ない世の中で、誠実な人は本当に稀有な存在。古人曰く、「誠は五常(仁、義、礼、智、信)の本であり、百行の源である」。今、誠実な人は宝石よりも貴重なのです。

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晏殊(あんしゅ、991-1055)は子供の頃、張知白という著名な人物に推薦されて、科挙を受ける機会を与えられた。晏殊はひと目、試験の題目を見ると皇帝に告げた。「私は10日前、この命題で作詩しました。大体の草稿は持っています。どうか、私に他の命題を与えて下さい」。皇帝は、彼の正直な性格を喜んだ。

晏殊が朝廷に仕えている時、国は安定していたので、殆どの官_li_は遊興に耽っていた。楼閣や酒場は重厚なカーテンで覆われ、その中で官僚たちは思う存分遊びに興じることができる。一方、晏殊は当時非常に貧しく、他の官_li_と一緒に豪遊することができなかったため、兄弟と共に家で勉学に励んだ。ある日、東宮(太子が住む場所)に仕える官_li_に晏殊が選ばれたという噂が広まり、大臣たちもその理由が分からなかった。次の日、朝廷に集まった大臣たちに、皇帝が説明した。「最近、多くの官_li_たちが遊興に耽る中で、晏殊だけが家にこもり、兄弟たちと勉強していたと聞いている。このように、慎重で用心深い人間が東宮に使える資格があるのだ」

正式に任命されると、晏殊は皇帝に接見することを許された。晏殊の昇進の理由について皇帝が説明すると、晏殊は正直に答えた。「私は、遊興が嫌いなのではありません。ただ、私はそれが出来るほどのお金がなかったのです」。皇帝は彼の率直さに驚き、この性格でよく東宮に使えるだろうと喜んだ。その後、仁宗が皇帝になると、晏殊は益々重用されるようになった。北栄の時代になると、彼はその誠実さと忠実さを高く評価され、ますます富み栄えたという。

 (翻訳編集・郭丹丹)
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