近海海域の汚染が深刻、流入する汚染物質の増加で=中国当局が報告書

【大紀元日本6月29日】中国国家海洋局が25日に発表した『2011年中国海洋環境状況公報』によると、河川から流入する汚染物質の増加が問題となっているという。ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

公報は全国約8000の観測ポイントから収集した約240万件の観測データに基づいてまとめられた。

公報は中国の海洋環境はおおむね良好だとしながらも、近海海域の汚染問題が深刻だとしている。具体的に、内陸から流入する汚染物質の増加が主な原因だという。また、一部地域では、海水の遡上によって、土壌の塩化、海岸の浸食による近海海域の汚染状態が悪化し、原油流出などの突発事件で環境汚染のリスクが高まっているという。

統計データによると、第4類海水水質基準を満たしていない近海は4万4千平方キロメートルに達し、「第11次五カ年計画」期間(2006-2010年)の平均レベル3万2千平方キロメートルを上回った。

また、主な汚染物質は無機態窒素、活性リン酸塩及び石油類で、とくに基準値を超えている無機態窒素と活性化リン酸塩は、約2.2万平方キロメートルの近海海域が栄養成分過度状態をもたらしている。

公報によると、中国の54本の主要河川に流入した汚染物質は1673トンにも上り、前年比より増加しているという。

中国国家海洋局が先日発表した資料によると、海に流入する全国の37本の河川のうち、29本は身体に直接接してはならない河川であるという。この29本の河川のうち、18本の河川は農業灌漑に使用できなくなっている。2011年第四半期では、海への流入口で測定した結果、342か所の内154か所は基準値を超過し、全体の45%を占めているという。

中国 産業廃水処理の実態 その2(現地協力者からの提供)

ドイツ在住の中国人環境問題活動家・王維洛氏は、中国の水汚染の最大の問題は1万あまりの化学工場を川沿いに設置したことであり、中国の地表水、地下水はほぼ100%汚染されていると指摘した。

また、汚水処理設備設置のための莫大な費用より安い罰金の支払いを選び、モラルを重んじない企業がほとんどであるため、河川の汚染や水汚染事件が頻発していると分析した。

(翻訳編集・余靜)
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