中国の製鉄会社、96%減益 「利益なき成長」に入るか

【大紀元日本8月2日】中国鉄鋼工業会は31日、国内製鉄会社の今年1~6月の利益が前年同期比96%減の23億9000万元になったことを明らかにした。今年上期、工業セクターの企業利益が軒並み大幅に減少しており、景気減速が打撃となっている様子が鮮明になった。

大手鉄鋼メーカーを含む国有企業全体の今年上半期は前年同期比11.6%の減益。また、工業セクター上期の企業利益は昨年の28.7%増に対して、今年は2.2%減となっている。

中国最大の家電小売り販売会社・蘇寧電器は上期30%の減益になると予測しており、その競争相手の国美電器は赤字との予測が出ている。航空業界では中国国際航空(Air China)が50%減益になると見込まれている。

一連の数字は、中国経済の成長鈍化が企業に大きな痛みを与えていることを明確に示している。一方で、中国の企業所得税の税収は第2四半期で13.6%増えており、前期よりも伸びている。「利益と税収の成績のこれほどの差は、今までになかった」。7月30日付の英フィナンシャル・タイムズは、ソシエテ・ジェネラルの中国担当エコノミスト、姚偉氏のコメントを引用した。

両者のミスマッチは、政府が企業の減税において不作為だったことに原因があると姚氏は指摘。「財政負担に圧迫されながら、民間企業の成長余地が限られていることで、中国は『利益なき成長』に追い込まれつつある」と分析した。

(翻訳編集・張凛音)
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