妊娠8ヶ月で強制中絶 被害女性は精神錯乱=浙江省

【大紀元日本8月8日】中国で強制中絶の事例が新たに発生した。浙江省温州市平陽県の妊娠8ヶ月の女性は強制中絶を強いられ、直後に精神分裂症になった。各政府機関に陳情を続けた夫・林基划さんは勤め先を解雇された。

本紙(中国語版)の電話取材に対して、林基划さんはことの経緯を明かした。

それによると、昨年、その妻は第二子を妊娠し、一人っ子政策に違反したとして、現地政府は罰金を通告。その額は最初は3万元、後に8万元まで増額された。経済的に苦しい林さん一家はこの巨額の罰金を払えるはずがなかった。現地政府のトップからは、「罰金を払わないなら、強制中絶するしかない。それに応じないなら、住宅と家財を全部押収する上、身柄を拘束する」と告げられた。結局、林さんは強制中絶の同意書にサインした。

彼の妻はその後、強制中絶の薬を注射され、死亡胎児を出産した。ショックを受けた彼女は錯乱状態に陥り、暴れたり他の乳児を強奪したりし、精神分裂病と診断された。今度は精神病治療のため入退院を繰り返し、毎月の薬代も林さんの月給の2倍にも上り、「とても負担できない。もう家計は破綻だ」と林さんは心中を語った。

窮地に陥った林基划さんは現地当局に陳情を試み続けたが、まったく相手されず、今年6月から北京に行き中央政府への陳情を始めた。しかし、駆けつけた現地当局関係者に強制的に連れ戻された。そして今月2日、現地当局の圧力を受けた勤め先は彼を解雇した。

林さんは、「私が求めているのは、政府が責任を認め、妻の治療代と、仕事ができなくなった彼女の生活費を負担すること。それだけです」と話し、私たちの事例は決して特別ではなく、巨額な罰金を払えないため、実際に身柄を拘束された人がいると証言した。

陝西省では今年6月、妊娠7ヶ月となる2人目の子を持つ妊婦が、地元当局に強制中絶の手術を強いられた。術後のぐったりとした様子の女性と死亡した胎児が共に映る写真がネットで公開されたばかりだ。

(記者・方暁、翻訳編集・叶子)

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