党大会日程も決まらず「政局に不安定要素」=ニューヨーク・タイムズ

中国の習近平国家副主席(AFP)

【大紀元日本9月15日】中国の次期最高指導者に内定している習近平国家副主席が依然、姿を現さない。米紙ニューヨーク・タイムズは13日、中国の政治という大船は今、大海で漂流しており、党内各派閥は目前に迫った共産党大会に向けて激しい攻防を繰り広げている、と評した。

習氏に関する最新情報は香港の中国人権民主化運動情報センターによるもの。同センターは13日、関係者の話として、習氏は2日の健康診断で肝臓に「極めて小さながん」が見つかり、すでに手術で摘出したと伝えている。一方で、軽い心臓病発作(ニューヨーク・タイムズ)や心筋梗塞(英紙デイリー・テレグラフ)、痛風(香港紙アップル・デイリー)などの情報も伝えられている。

「病気は病気でしょう。具体的にどのような病気で、深刻かどうか、致命的かどうかは分からない」。米VOAは香港の時事評論家・林和立氏の見方としてこのように伝え、「政局に大きな変化が起きる兆しは見えない」とした。

一方、習氏の行方と同じくメディアを惑わせているのは、8月末に発表されるはずの共産党大会の日程がいまだ決まらないこと。これは大きな枠組みがすでに決まったとされていた政局に依然、多くの不安要素をはらんでいることを物語っているとニューヨーク・タイムズは指摘した。

秋の党大会の日程は通常、8月上旬に河北省の保養地・北戴河で開かれる「北戴河会議」で決まる。だが、今年の北戴河会議は「雰囲気が非常に悪く、派閥闘争が非常に激しかった」と同紙は共産党中央委員会の事務機構・中央弁公庁からの情報として伝えた。

同紙はさらに、北戴河会議参加者の一人で、共産党を研究する学者の証言も伝えた。それによると、数日の会期中に、党大会に参加する2000人以上の代表を決めたが、次期指導者についての議題が上がっておらず、党大会の重要方針などについても触れていない。「これらの問題はすべて北戴河会議で決まると皆思っていたが、事実、それらの話題はなかった」

この学者は先週、習氏の近い親戚と食事を共にしたという。親戚は習氏の健康状態に問題が起きたことは知らない。「闘争は進行中で、まだ終わっていない」。学者は、習氏の失踪は政局の不穏に起因する可能性が大きいと見ている。

(翻訳編集・張凛音)
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