中国共産党、党規約改定へ 重大な政策決定のメッセージか

18大開催を前にした天安門前広場の様子

(MARK RALSTON/AFP/GettyImages)

【大紀元日本10月25日】中国共産党は22日に政治局会議を開き、党規約の改定案を協議した。同改定案は近く開催される共産党大会(18大)で正式に決定される見通し。国営新華社通信は当日、これについて報じたが、どのような改定が検討されたかを明らかにしていない。

新華社の報道では、党規約の改定は「規約の実践と維持に役立ち、中国式社会主義と党の建設をより良く推進させることに力を発揮する」としている。さらに政治局は18大を「全面的に小康社会(やや豊かな社会)を構築し、改革開放や経済発展モデルの転換を推進させる重要な時期に開かれる重大な会議だ」と見なしており、共産党は今後、「国際社会と中国の発展の流れ」を全面的に把握し、戦略的チャンスを掴み、社会主義の経済、政治、文化、社会の建設を全面的に推進すると強調した。

新華社のこの報道について、ロイター通信は「共産党一党支配体制が強化される可能性がある」としながら、18大で重大な政策決定が行われる可能性があるとの見方も伝えた。中国共産党はこれまでも重大な政治決断の基本原則を党規約に盛り込む経緯があった。1992年に14大が開催された時も、_deng_小平の「中国式社会主義」という経済改革の基本方針を党規約に取り入れ、市場経済への移行を発動していた。

新華社の同報道では毛沢東思想は提起されていない。党規約に掲げられている「_deng_小平理論」と江沢民の「3つの代表」理論に言及したものの、「毛沢東思想」には触れていない。中国問題専門家はこの変化から、「今回の党規約の改定は、毛沢東の影響力の払拭という敏感な問題に関連するのではないか」と分析。ロイター通信はシンガポール国立大学の鄭永年研究員の話として、「薄煕来が失脚するまでは中国の方向性は明確ではなかったが、今は非常に鮮明だ。つまり、毛沢東思想の影響力を弱め、_deng_小平理論を主流にすること」と伝えた。

一方、今回の党規約の改訂は、「薄煕来事件」がもたらした共産党政権の危機をやり過ごすためのものだとの見方もある。党規約の改定は、党のイメージを改善することや指導者らの地位を固めることを目的としているだけで、抜本的な政治改革に関連する政策を発表する可能性はほとんどないとも見られている。新華社の同報道でも政治改革に関する文言はいっさい現れていない。

(翻訳編集・叶子、張凛音)
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