<赤龍解体記>(91)共産党大会開会にともなう暴力と死亡

【大紀元日本11月12日】第18回共産党大を無事に運営するため、北京当局は「安定維持」を最高レベルに引き上げ、厳重な警戒態勢を敷いている。それに伴って警察などによる暴力事件が急増し、死亡事件も起きている。

河南省平頂山市からの陳情者・張耀東さん(55)は10月30日に北京に到着。11月5日夜、市内の銭湯に宿泊した際、見回っていた警察に遭遇した。張さんが陳情者であることが分かると、他の3人の陳情者の王月琴さん、黄銀環さん、米春夏さんとともに陳情者監禁施設へ送った。

翌6日午後、北京で陳情者を待ち受け、地元に送り返す役割を担う北京市陳情阻止担当の喬国慶氏が陳さんらを迎えた。陳さんを乗せた輸送車両には何故か数人のならず者も乗車した。ならず者は張さんらを恫喝し、携帯電話など所持品を取り上げようとした。張さんは拒否したため、暴行を加えられた。

同乗した陳情者の証言によると、張さんは激しい暴行を受けて意識不明に陥った。陳情阻止担当は「死を装っている」と主張し、そのまま放置したという。後に病院に搬送された張さんは、既に死亡していると診断された。姉の耀花さんは、死因は激しい身体暴行のためだと訴えている。

張さんは、1997年に債務トラブルで起訴され、裁判により10年間の懲役刑を受けていた。出獄後、冤罪を訴えるため北京での陳情を続けていた。

8日から始まった党大会では、4代の指導者らが集まり、団結と調和を大々的に謳った。国内情勢不安を恐れる当局は同時に、政治異見者や民主活動家、チベット人やウイグル人、地下教会や法輪功学習者などへの監視や弾圧をこれまで以上に強めている。

 (翻訳編集・呈工)
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