重大建設プロジェクト 「社会リスク評価」を義務化

【大紀元日本11月16日】中国は今後、すべての重大建設プロジェクトに対し「社会リスク評価」をすることが決まった。10年来の経済成長が環境にもたらしたツケや、人々の生活への影響で多発する抗議運動に、中国当局が危機感を抱き始めたようだ。フランスのRFIラジオが伝えた。

12日に開かれた党大会の記者会見において中国環境保護部長・周生賢氏がこの規定を明らかにした。周部長は、環境問題は経済が発展していく過程で必ずぶつかる問題とし、中国社会も環境面では「敏感な時期」に来ていると述べた。

また、これらの環境問題が原因で、中国各地で抗議デモが起きていることに対し、部長は、法に基づき環境アセスメント制度を強化し、民衆の監督を受けると同時に民衆の参与を拡大することを強調。今後はさらに、重大建設プロジェクトに対し「社会リスク評価」の実施義務づけを表明した。

先月末、浙江省寧波市では現地住民が、毒性の強いパラキシレン工場の建設中止を求める抗議デモを起こし、現地政府の工事撤回の約束で抗議は収束。また、今年7月には四川省什邡(しゅうほう)市でモリブデン工場建設に反対する住民2万人が抗議デモを行い、建設を中止に追い込んでいた。

閉幕したばかりの第18回共産党大会では党の規約が改正され、「生態文明建設(生態に配慮した社会建設)」が規約に明記されるなど、環境問題を発端とした社会問題の深刻さがうかがえる。

(翻訳編集・坂本了)
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