謎のフェラーリ事故もみ消し 大手石油会社の社長が関与か=香港紙

【大紀元日本11月20日】今年3月18日に、北京市内で胡錦涛国家主席の側近である中央弁公庁前主任の令計画氏の息子が起こした交通事故について、香港紙・南華早報(英語版)はこのほど、情報筋の話として事故の後始末を任せられたシノペック中国石油天然気集団)の蒋潔敏社長が調査を受けたと報じた。

事故の詳細は次の通り。一台の黒のフェラーリが北京市内を走行中、道路の柵に衝突し、跳ね返り壁面と激突した。この事故で車は大破し、運転していた20代の男性は即死、同乗の女性2人は重傷を負った。事故当時、3人はいずれも半裸か全裸の状態だったという。目撃者により撮影された事故当時の写真がインターネット上に出回り、話題となった。

現場写真は当局の検閲により削除されていった。厳しい言論統制の対象となったことで、ネットでは、死亡した20代の男性は「共産党高官の息子ではないか」などと噂が広まっていた。一時、死亡したのは党内序列4位の賈慶林氏の息子であるとも言われていたが、海外メディアは党本部事務を取り仕切る中央弁公庁の令計画主任の息子だと報じた。事故の詳細は今も明かされていない。

この事故について南華早報は事故後、重傷を負った2人の女性の家族の銀行口座に数百万元(数千万円相当)が振り込まれたとスクープした。幹部の不正を調査する中央紀律検査委員会(中紀委)は調査に乗り出し、振込み元の口座はシノペック関連の口座だと判明した。大金がいかなる手続きもなく「簡単に」振り込まれたことに中紀委の捜査員も驚いたという。

同紙は、石油最大手シノペックのナンバー2である蒋潔敏社長が事故後、負傷者への賠償や事故のもみ消しを任せられたとして、調査を受けたと伝えた。蒋社長については7月末に「失踪騒ぎ」が伝えられている。当時、様々な憶測が広まっていたが、同紙は調査のため姿を消したのではと報じている。

蒋社長は先日開かれた第18回党大会に中央委員として会議に出席している。

一方、令計画氏は事故のもみ消しに関与したことで江沢民前総書記らに批判され、「同委員が権力ある地位に就くことに強硬に反対した」とロイターは報じた。令氏が務めた中央弁公庁主任はいわば「官房長官」のような存在で、温家宝氏もこのポストの経験者。9月、令氏は実権のない統戦部長への異動が発表された。一時、次期政治局入りとも取り沙汰された同氏は出世コースから外れた。

(翻訳編集・高遠)
関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明