チベットでの鉱山開発 主要河川の水源汚染の懸念

チベットでの鉱物資源開発による水源汚染が懸念されている。写真は2005年9月23日、チベットのアムド県にある金の採掘場(China Photos/Getty Images)

【大紀元日本11月24日】中国当局はチベットやその近隣各省で鉄道、道路、発電所などのインフラ整備を行っていると同時に、金、銀、銅、鉛、亜鉛など鉱物資源の開発も進めている。これらの開発はチベットを流れる主要河川に深刻な水源汚染問題をもたらしかねないと専門家が警告している。

この警告は、チベットの環境問題に30年来、注目してきたガブリエル・ラフィット氏が環境問題専門サイト「中外対話(China Dialogue)」への投稿で発したもの。当局が開発を決めた、シェートンムン(謝通門)・ギャマ(甲瑪)・ユーロン(玉龍)の3つの地区をまたがる銅鉱・金鉱はチベットでは最大規模である。一方、これらの地区はアジアへ流れる主要河川の水源に位置しているため、開発は水源環境にダメージをもたらす恐れがあるとラフィット氏は憂慮した。

シェートンムン地区はヤルンツァンポ川に隣接しており、同川はバングラデシュでガンジス川と合流する。開発で重金属が川を汚染した場合、その影響は下流のインドやバングラデシュ、さらに、ヤルンツァンポ川からの引水を計画している黄河流域にも及ぼすという。

ギャマ地区はラサ市の水源となるラサ川の上流に位置しており、同川はヤルンツァンポ川の支流でもある。また、ユーロン地区は長江とメコン川の間に位置する。

長江とメコン川はこの地域で流水量も落差も大きい。「有毒金属を川に流れ出ないようにするには高度な技術が必要」とラフィット氏は指摘。この地区の金鉱採掘を担う紫金工業は中国最大の金鉱開発企業であるが、2011年には福建省で有毒物質の河川への流入事故を起こし、数万人の飲用水が汚染された。

中国の経済発展の方向を決める5カ年計画では、2015年までに、チベットは重慶市と成都市を中心とする「非鉄金属基地」の一部になる構想が描かれている。

(翻訳・余靜、編集・張英)
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