<赤龍解体記>(93)「改革派、党内闘争だけでは勝ち目なし」 陳破空氏、新体制を分析

    陳破空氏(大紀元)

【大紀元日本11月26日】権力交代したばかりの中国政局について、在米政治評論家で『中南海の厚黒学』の著者・陳破空氏は、共産党最高指導部の7人の中で習近平氏と李克強氏を除いた5人は事実上、習・李を監視し、政治改革阻止や共産党政権維持の責務を担っている、と指摘した。

台湾を訪れている陳氏は、習氏は保守派常務委員らに監視されてはいるものの、薄煕来氏への処分を重いものにしなければならないと強調した。薄氏を徹底的に倒さなければ、後に習政権の存続を脅かしかねない。習氏は決して身辺に「時限爆弾」が存在することを認めないことから、薄氏への判決は恐らく20年以上から無期懲役以下になると陳氏は見ている。だが、これにより、薄の後ろ盾となる江沢民勢力がいかにして反発するかは、習氏が直面する難題の1つになるという。

また、党大会で行われた人事交代で、改革派と思われる汪洋氏や李源潮氏が常務委入りを果たせなかったことについて、陳氏は「共産党の政治体質によるもの」と見ている。「『差額選挙』では結果的に改革派が閉め出され、保守派が残ることになる。汪氏、李氏の敗北や政治改革を主張し続けた温家宝首相の淋しい幕切れは、党内の改革派が国民の力を借りずに、党内闘争だけでは勝ち目がないことを示した」と陳氏は指摘する。 

新指導者の習氏が就任後すぐに宣言した腐敗一掃については「腐敗政権が自らの腐敗を是正することはできるはずがない」と一蹴。マスコミに共産党幹部を監督する自由を与え、司法機関に独立した調査・弾劾の権限を与えれば、腐敗は自ずとなくなるが、共産党政権ではそれができない。「表向きは腐敗反対や腐敗是正と言っているが、本質は権力闘争に過ぎない」と陳氏は指摘した。 

オバマ大統領は再選後、ミャンマーを真っ先に訪問。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の推進も、共産党政権にとっては包囲網が敷かれることになる。この流れを歓迎する意思を示す一方、陳氏は「中国共産党に対し、あらゆる期待をもってはならない」と釘を刺した。また「共産党政権の60年余、臓器狩りなどを含め、数々の罪を犯してきた。今なおこれらの悪行を続けている共産党のうわべの政治改革に希望を託すのではなく、党自体が解体されることこそが中国の希望である」と陳氏は結んだ。

 (翻訳・呈工、編集・張英)
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