「衝突しても怪我しない」 「世界最長」高速鉄道の安全神話か

 中国の高速鉄道 (Getty Images)

【大紀元日本12月27日】北京市から広東省広州市まで、中国の南北を縦断する「世界最長高速鉄道」が26日、全線開通した。2298キロを8時間弱で結ぶ同コースは中国の国威発揚のシンボルとも見られている。

だが、昨年7月に40人が死亡したとされる浙江省温州市で起きた高速鉄道列車の追突事故はまだ記憶に新しい。事故の徹底的な原因究明も進まないまま迎えた世界最長路線の開通に、鉄道省は、「営業最高時速を設計時の350キロから300キロに抑えている」などと、安全性のアピールに余念がない。

そういった中、国営通信社・中新社も26日、高速鉄道列車の専門家・孫幇成氏の話として、北京-広州線に採用されている車体は乗客の安全確保を第一に設計されており、たとえ「一定の速度で衝突」しても、車体に大きな損傷をもたらすことはなく、「乗客にけがをさせるようなことは、なおさらない」と宣伝した。

孫氏はさらに、車体の設計において「安全への配慮はスピードへのこだわりをはるかに超えている」と説明。車体の強度はヨーロッパの基準に従うもので、「衝突防止車体構造」を採用しているという。また、南北の気候変動によるリスクなども十分に考慮し、施工管理も厳格なものだったと強調した。

しかし専門家やメディアの懸命な売り込みに、ネットユーザーの反応は冷ややかだ。中新社の同記事を掲載したポータルサイト・網易のコメント欄には、5万人を超えるユーザーが感想を残している。「専門家に衝突実験を先にやってもらおう」という書き込みに1万4千人が賛成し、「一定の速度って?時速5キロ?10キロ?」とのコメントにも6千以上の人が同感を示した。

(翻訳編集・張凛音)
関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明