南方週末の改ざん問題 中央宣伝部の通達を黙殺するメディアも

共産党中央宣伝部の内部通達とみられる文章、1月8日(ネット写真)

【大紀元日本1月9日】中国有力紙「南方週末」の新年祝辞が当局にすり替えられたとの騒動は新たな展開をみせている。8日、中国のインターネット上では、このことに関する共産党中央宣伝部の内部通達とみられる文章が出回っている。

同通達は全国のメディアに出されたものとされ、「党によるメディアへの統制は鉄則である」「南方週末の出版事故は、広東省共産党委宣伝部の庹震部長とは無関係(編集者注:同部長は書き換えの当人とされる)」「この事件に、海外の敵対勢力が介入している」などと書かれ、メディア関係者に対してこれ以上南方週末紙を支持してはならないと通告した。さらに、各新聞社や情報サイトに、共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報の関連社説を転載するよう指示した。

環球時報の社説は、広東省宣伝部は南方週末の原稿の書き換えをやっていないと主張。「メディアは中国の『政治特区』になってはならない」「たとえ欧米諸国でも、主流メディアは政府に対して公然と対立しない」「彼ら(抗議者)の矛先は、メディアを通して国家体制に向けられている」などと騒動を厳しく糾弾した。

一方、通達が出された翌日には、多くのメディアは同社説を命令通りに転載しなかった。転載したメディアも、一方的に命じられたとほのめかしたり、一部分のみを掲載したりしている。

メディアが中央宣伝部の指示に従わなかったことについて、中国で著名な社会学者の丁学良氏は英BBC放送(中国語版)の電話取材に次のような見解を示した。「一部の勇敢なメディア人は発足したばかりの現指導部に大きな期待を抱いている。この事件を通して、より多くの報道の自由を勝ち取ろうと試みている」「それでも彼らは依然として非常に慎重で、石橋を叩きながら渡っている。『転載しなければ、どういう結果を招くのか』と試している」

(翻訳編集・叶子)
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