習総書記、「虎もハエも一掃」と腐敗根絶に意欲 専門家「難しい」

【大紀元日本1月24日】習近平共産党総書記は22日、党中央規律検査委員会全体会議で演説し、「虎もハエも捕まえなければならない」と述べ、法規違反した大物の共産党幹部(虎)の摘発だけでなく、末端の腐敗役人(ハエ)も一掃し、腐敗の解決に取り組む決意を表明した。

習総書記をはじめとする新指導部は昨年12月にも紀律是正のため、政治局幹部に簡素化を求める八条の規定を打ち出した。

しかし、腐敗根絶に強い意欲を示した習総書記の狙いとは裏腹に、 「政令不出中南海」(政策は、指導部のある中南海以外には伝わらない)という言葉があるように、一連の取り組みは「のれんに腕押し」で終りそうだ。

国営新華社通信によると、河南省鄭州市で取材中の同社記者は今月の19日、市内のホテルで公費による宴会が開かれているところを目撃した。証拠写真を撮影したところ、宴会の参加者にカメラなどの機材を奪われ、1時間半もの間、身柄を拘束されたという。

のちに、宴会は同市のある派出所の警官が開いた新年会で、費用は公費負担だと判明した。新華社通信は公式ミニブログで「写真撮影したのが一般市民なら、どうなったか分からない」、「規定違反していなければ、なぜ写真を恐れるのか」、「日頃から一般市民を乱暴に扱ってきたから、慣れた手つきで記者を制圧した」と糾弾した。

北京理工大学の胡星斗教授は「中央の規定に従わず、公費で接待を行う地方幹部はまだまだいる」と話し、「現行体制では必然的なことだ」と指摘した。

さらに、「中国のような官支配の国では、八条規定が打ち出されても、根本的に問題を解決することができない」と一連の対策の効果が一時的なものだという見解を示した。

習総書記はまた、同じ会議で、「権力を制度の枠内に収めるべきだ」と述べ、腐敗根絶のメカニズムの構築の必要性を訴えた。

これについて、前国務院発展研究センターの姚監復氏は「この枠は一党独裁の枠であり、党の利益に影響すれば、腐敗根絶の手も緩めてしまう恐れがある」と習総書記の決意を疑問視した。

胡教授も「虎は制度で捕えなければ、根本的に腐敗を解決することができない」とした上で、「虎が権力闘争の犠牲になりがちだ」との認識を示した。

中国共産党が1949年に設立されて以来、公費による接待を禁じる通達は500回以上に上っているという。姚氏は宴会も禁じられないなら、習総書記の反腐敗の決意が本物かどうかはまだ分からないとしている。

(翻訳編集・高遠)
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