中国海軍、西太平洋で演習へ 旧正月前実施は「海上権益へのアピール」

ミサイル駆逐艦「青島」と同型の「哈爾浜」(Getty Images)

【大紀元日本2月1日】中国海軍の艦艇が西太平洋で軍事演習を行うため1月29日、青島の基地を出発した。旧正月前に行われる異例な軍事演習は、中国が海上権益を守るという政治的な決意を顕したものだと指摘されている。米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が伝えた。

今回の演習に参加した艦艇は、ミサイル駆逐艦「青島」とミサイル護衛艦「煙台」「鹽城」の3隻で、艦にはヘリコプターも搭載されている。艦艇は青島港を出港してから、黄海や東シナ海で演習を続けながら、沖縄本島と宮古島の間の海域を通過し、西太平洋に向かう。演習項目は、海上対抗、遠海機動作戦、海洋領有権守衛戦など、20以上にのぼるという。 

今回の軍事演習について、中国国防省は年度計画に基づく定期的なものだとしているが、台湾の軍事雑誌・亞太防務の鄭繼文・編集長は「この時期にこのような演習を実施するのは極めて異例だ」とVOAの取材で指摘した。旧正月まで2週間をきった時期の大規模演習には政治的な色合いが濃く含まれていると鄭氏はみている。尖閣諸島やスカボロー礁(南シナ海)などをめぐって、日本やフィリピンと領有権争いをしてきた中国は、海軍の軍事演習という形で「海上権益を守り通すという強烈な政治的アピールをしている」と分析した。

今回の演習が実施される直前、フィリピン政府は領有権問題で中国を国際裁判所に提訴した。それに対し、中国外交部の洪磊副報道局長は中国の「争う余地のない領有権」を強調したうえ、「主権争いはフィリピンが中国の領土を不法に占拠したことに起因する」との立場を繰り返した。

(翻訳編集・竜崎)

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