銃撃された男性、カナダ議会で証言 チベット人弾圧の実態が明るみに

【大紀元日本2月13日】チベット人男性のジワンドンスさん(42歳)は昨年末、ようやくカナダのトロントに辿り着いた。2008年3月に中国の警官隊に銃撃されてから5年の年月が経とうとしていた。当時重傷を負った彼は、一年以上山奥に潜伏し、「傷口が感染して腐乱し、まるでケガした狼のように生き残った」。カナダに渡って難民として保護された彼はこのほど、同国議会で自らの遭遇を証言した。米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)がその詳細を報じた。

ジワンドンスさんは1970年、カンゼ・チベット族自治州に生まれた。幼少期の最も鮮明な記憶は、自宅の毛沢東の写真フレームの裏にダライ・ラマの写真を隠した祖父が、そのことが罪となり当局に8カ月も投獄されたことだという。その時の生活について、彼は次のように話した。「何も語れることはない。貧困と飢餓だけだった。学校には十数日間しか通わなかったため、字も読めない。地元の半径数十キロの地域では、一軒の小学校しかなかった。まともな教師もいなければ、チベット語も教えず、算数と漢文の授業しかない。そして学校と言っても、教科書もなければ、椅子も机も鉛筆もない。晴れる日では、青空の下で授業する。枝を使って地面で字を書いたりして、先生は気が向かないと授業を打ち切る。今では、私たちの村ではこんな小学校すらなくなった」

このような環境で育ったジワンドンスさんは90年代、チベット最大の都市ラサに出稼ぎに行き、小さな洋服屋を営んで生計を立てていたという。

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