吉林省当局が対北朝鮮経済・貿易推進の計画 経済制裁の効果に懸念

吉林省から望む北朝鮮国境の町。参考写真(caitriana/Flickr)

【大紀元日本3月31日】北朝鮮と隣接する中国吉林省の現地政府は27日、北朝鮮と結ぶ鉄道と幹線道路の修繕・建設計画を発表した。対北朝鮮経済と貿易関係を推進するためだという。国連安保理事会は今月初旬、北朝鮮の核開発の資金源を断つ制裁決議案を採択したばかりで、米国などが議案の有効性を懸念している。

同省政府が今週中に公式サイトで発表した計画によれば、同省延辺朝鮮族自治州図們市と北朝鮮の羅津・清津地区を結ぶ2本の鉄道の大規模修繕を加速させるという。これらの鉄道は北朝鮮の鉄道と繋いでおり、その内陸部に到達している。また、数年以内に図門市と北朝鮮を連結する主要幹線道路も竣工させる予定。

図門市と北朝鮮の清津間では、観光列車はすでに運行している。

3月初旬に、度重なる北朝鮮の核実験を制止し、その開発資金源を断つため国連安保理の制裁決議案が採択されたばかりだった。中国当局は当時、同決議案に賛成票を投じた。しかし、1カ月も経たないうちに打ち出された今回の建設計画。米国政府は懸念を顕にした。

米国国務省のパトリック・ベントレル報道官は27日の定例記者会見で、同計画の詳細を知らないとした上、「この計画は国連制裁への無視ではないか」との質問に対して、米国側は中国当局にはっきりと憂慮を伝えると述べた。

数十年来、中国当局は北朝鮮の唯一の主要同盟国で、最大の貿易相手国でもある。これまでに、北朝鮮のミサイル実験などへの国連経済制裁に対して、中国当局は度々難色を示してきたが、今回、国際社会の圧力が強まる中、国連の制裁決議案に渋々と同調した。そして、制裁の効果に期待が高まった矢先に、今回の計画が発表された。

 (翻訳編集・叶子)
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